アトピー性皮膚炎 (ステロイド剤について)ステロイドホルモン 1ステロイドとは、ステロイド核という化学構造をもつ化合物の総称です。 ステロイドホルモン 2ステロイドホルモンを治療に使う主な目的のひとつに炎症を抑える
ことがあります。 ステロイドホルモン 3炎症が起こるときの重要な化学反応の
ひとつに「アラヒドン酸カスケード」というものがあります。
これはひとの細胞の細胞膜に含まれるリン脂質からアラヒドン酸が作られ、結果として
ロイコトルエン、プロスタグランジン、トロンボキサンなどサイトカインという炎症を担う化学物質が大量につくられる反応です。 ステロイドホルモン 4ステロイドホルモンはとても効果がある反面、副作用もいろいろあります。
しかしこの薬はすでに50年以上も使われ続けているため、副作用についてよくわかっています。そういう意味で安全な薬といっていいでしょう。
ステロイドホルモン 5 皮膚への副作用塗り薬は飲み薬に比べて体全体に与える影響は、ふつうの使い方をする限りほとんど無いといってよいでしょう。
2.ホルモン作用によるもの
3.免疫抑制作用によるもの
ステロイドホルモンの誤解色素沈着(肌が黒くなること)ぬり薬のステロイドは皮膚の色素をつくるはたらきを抑えるため、肌の色はむしろ白くなります。 アトピー性皮膚炎は皮膚に炎症が起こっていますので、メラニン色素がたくさんつくられ、そのメラニンがしばらく皮膚の底のほうに残ります。 炎症が起こっている初期は赤くなっていてそれがわかりませんが、赤みが引いてしまうと黒いメラニン色素が目立つようになります。 ステロイドを使っていると赤みがすぐにとれるので、色素の沈着が急にできた様に見え、このことが「ステロイドで肌が黒くなる」と誤解されているのです。 この色素の沈着は、しばらくすると薄くなっていきますが、治療が十分に行われなく炎症が長い間続くとなかなかとれないことがあります。 ステロイド白内障ステロイドホルモンを長い間のみ続けていると、角膜がにごって視力が悪くなる白内障が起こる可能性があります。 しかしぬり薬のステロイドは皮膚から吸収されても体の中で分解されてしまいますので、ふつうの使い方をしている限り体全体に影響を及ぼすことはありません。 もちろん最強のステロイドを全身に長い間使っったり、密封療法などの特殊な使い方をした場合は可能性は否定できなくなりますので注意が必要です。 アトピー性皮膚炎で見られる白内障は、ほとんどがアトピー性皮膚炎がとても重くなかなかうまく治療できていない患者さんに見られるアトピー性白内障です。 |