『こどものツボ』 ].アトピー性皮膚炎
ふだんの生活で気をつけること
入浴の注意
- せっけんは皮膚への刺激が少なく、水に溶けやすいものならふつうのもので十分です。
- 体を洗う時は、タオルや固い布などでゴシゴシこすってはいけません。お母さんの手でせっけんを泡だてて、手で体を洗ってあげるのが一番よいでしょう。
- せっけんで体を洗った後は、よくせっけんを洗い流してください。せっけんが残っていると、アトピー性皮膚炎が悪化します。
- お風呂の温度は低めにして、入る時間も短くしましょう。アトピー性皮膚炎の子どもは体が温まるとかゆみが強くなるからです。入浴の目的は皮膚を清潔にすることが第一ですから、皮膚炎のひどい時は湯船にはいらないで、かけ湯かシャワーだけにしましょう。
- お風呂からでた後も、すぐパジャマをや服を着ないでしばらく薄着でいましょう。冬の寒い時は、あらかじめ部屋を暖かくしておけば、湯冷めすることもなくカゼもひきません。
- 入浴後すぐに布団の中に入るのはやめましょう。体温が元にもどってから寝るようにします。
- 入浴の後は必ず肌の手入れをしましょう。このときに手入れをしないと、次の日の朝にアトピー性皮膚炎はかなり悪くなってしまいます。
衣服の注意
- 肌着は木綿がもっとも皮膚に適しています。しかし、木綿でも皮膚を強く刺激するものはよくありません。
- 毛のセーターなどちくちくする素材の衣服は直接肌に触れないようにします。
- 衣類は、清潔であることはもちろんのこと、洗濯の時の洗剤をよくすすぎ落とすことが大切です。
- 肌着やベビー服は、袖口や首周りなどがゆったりしたものを選びましょう
- 衣類はなるべく薄着をこころがけましょう。厚着にすると、かゆみが増してアトピー性皮膚炎が悪くなることが少なくなりません。また、ふだんから薄着に努めることは体をきたえることにもなります。
- お母さんの衣服にも注意しましょう。お母さんの衣服の刺激で、赤ちゃんがいつも接している部分の皮膚がひどくなっている場合があります。
- おむつはぬれたらすぐにとりかえてあげれば、紙おむつか、布おむつにかはこだわらなくてよいでしょう。ただし、ビニール製のおむつカバーはむれやすいので、注意しましょう。
寝具の注意
- 寝具もやはり直接肌を刺激するものは避けます。毛布を直接かけるとかなりの刺激になることがあります。ホテルのシーツのようなしっかりとした木綿布でカバーして使いましょう。
- 衣服と同じように、寝具も厚くなりすぎないように注意が必要です。カゼをひかないようにというお母さんの思いやりがかえって逆効果になり、体が温まりすぎるとかゆみが増し、アトピー性皮膚炎がひどくなる場合が少なくありません。
- 同じ理由で、電気毛布や湯たんぽもなるべく使わないでください。
- 部屋の暖房の温度も高すぎることがないように気をつけ、同時に部屋の乾燥にも注意をはらいましょう。
- 寝具はダニの温床になりやすいので、日光によく当てて干すなどダニ対策を十分にしましょう。
- 最近は防ダニ効果がある布団カバーが売られていますが、薬剤処理したものはなるべく使わない方がよいと思います。
運動の注意
- 運動する時は、汗を吸い取りやすいシャツを着て、汗をかいた後は必ず汗を洗い流して皮膚をきれいにしてください。
- 水泳はプールの消毒薬でアトピー性皮膚炎がひどくなることがあるので、水泳の後は必ずシャワーで洗い流し、そのあとのスキンケアをしっかりしてください。
- 砂遊びや水遊びが終わったら、汚れをよく落とし、手がぬれてたままではないか、せっけんが残っていないかよく確かめましょう。
その他の注意
- アトピー性皮膚炎の子どもはいつもかゆがっていますから、爪の手入れはかかさないようにしましょう。爪を短く切った後、丸く整えることも大切です。
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