『こどものツボ』  IV.陰部・尿の病気

腎孟炎(じんうえん)

どんな病気?

腎孟とは、腎臓の中にある袋のような部分で、ここに腎臓でつくられた尿がたくさん集ま ります。 腎臓でつくられた尿は、ふつう上(腎臓)から下(膀胱)へと一方通行で流れていますが、 何らかの原因で膀胱の中の尿が上(腎臓)の方へ逆流すると、細菌が腎孟の中で増えて腎孟 炎が起こります。 腎孟炎になると、何日も高熱が続き、尿がにごったり血液が混じったりしますが、小さな 赤ちゃんの場合は、腎臓だけではなく、体全体に細菌がひろがるおそれもあります。

治療

抗生物質の飲み薬や注射薬を使って、腎孟炎を起こしている細菌をしっかり減らします。 そのためには入院して治療を受けることも必要になります。

家庭での看護

・子どもにトイレをがまんさせないようにしましょう。
・おしっこは尿路全体を洗い流す効果があります。飲める範囲で水分を補給をしましょう。
・おむつ交換はこまめに行い、とくに女の子では外陰部の清潔に心がけましょう。
・便が尿道につかないように、おしりをふく時は前からうしろにふきましょう。

注意

何度も腎孟炎をくり返していると、腎臓のはたらきが悪くなってしまうことがあります。 このような場合は、膀胱の中の尿が上(腎臓)の方へ逆流する原因を検査でしっかり確かめ る必要があります。

尿路感染症とは
尿の通り道の腎臓、膀胱、尿道に大腸菌などの細菌が感染し て起こる病気をまとめて尿路感染症といい、それぞれ腎孟炎、 膀胱炎、尿道炎という病名がつきます。