『こどものツボ』  V.よくある感染症

仮性クループ(急性喉頭炎)

どんな病気?

カゼのウイルスや細菌などによって、のどの奥の気管の入口にあたる喉頭という部分が赤 くはれることによって起こる病気です。 この喉頭という部分は、声をだすところ(声帯)であり、また空気の通り道の中でもっと も狭いところですので、この部分がはれると、急に声がでなくなったり呼吸が苦しくなった りします。 また、ケーンケーン、あるいはゴーンゴーンという、犬やオットセイが鳴くような咳が突 然はじまるのも特徴的です。

治療

飲み薬: カゼ薬などが処方されます。
吸 入: のどのむくみをとる薬を吸入します。直接のどに薬がいきわたるため、とても効果がありますが、小さい子どもは嫌がって上手に吸入ができないことがあります。

家庭での看護

室内の加湿 : 加湿器を使う。やかんで湯気をたてる。濯物を室内に干す。 また、耳のうしろを冷やしてあげると痛みが少なくなります。
水分の補給 : 苦しい咳のために飲んだものや食べたものを吐きやすくなります。 食事やミルク、水分は、1回に食べる量や飲ませる量を減らし、回数を増やします。
寝かせ方  : 背中にクッションなどを当てて上半身を高くすると呼吸が楽になります。 苦しくて泣きだすと、さらにのどが苦しくなるので、抱っこしてあやすなど泣かせない工夫も必要です。
入浴     : 呼吸がそれほど苦しそうでなく、熱が高くなければ入ってもかまいません。 ひどい咳がではじめたら:たて抱きにして、咳が落ちつくまで待ちます。風呂の壁にシャワーを当てて、湯気の中にしばらくいると楽になります。

注意すること

次のような時には、急いで病院にかかりましょう。

・ゼーゼーというあらい呼吸の音とともに、胸のあたりが上下に早く動いて苦しそうな息をする時
・顔色が悪くなったり、元気がなくなったりした時