『こどものツボ』 U.よくある症状とその看護
熱性けいれん(ひきつけ)
どんな病気?
熱性けいれんは、けいれんの原因が脳にない子どもが熱をだした時に起こるけいれんで、 急に唇や皮膚が紫色(チアノーゼ)になり、目が片方に寄って、全身がガクガクとふるえ、 その後、手足が硬くこわばって意識を失います。これは子どもの脳が未熟なために起こるも ので、生後6ヶ月〜3歳に多く、6歳を超えるとほとんどみられません。 一度しか起こさない子もいれば、発熱のたびにくり返す子もいますが、後遺症はありませ ん。
治療
熱性けいれんは、病院に着いた時にはすでに治まっている場合がほとんどですが、まだ続
いている場合には、けいれん止めを注射したり、酸素を吸入したりします。
また、長く続くような時には入院が必要なこともありますが、ふつうは治まったら家庭で
様子をみることになります。
けいれん止め: けいれん止めの坐薬や飲み薬などが処方されます。
解 熱 剤: 脇の下や足のつけ根、首筋などを冷やしても熱が下がらない場合は、坐薬などの解熱剤を使います。
その他、熱の原因にあわせて、カゼ薬などが処方されます。
家庭での看護
@胸元をゆるめて、平なところに寝かせる。 吐いた物がのどにつまらないように、顔を横向きにする。
Aひきつけの時間をはかる。
B熱をはかる。
はじめてひきつけを起こした時にはついあわててしまいますが大声で名前を呼んだり
体をゆすったりすると、かえってけいれんが治まりにくくなってしまいます。
また、舌をかむのが心配で、ロの中に指やタオル、割り箸などを入れることは、吐かせる原因になったり、□の中を傷つけたりすることがあるのでやめましょう。
注意すること
熱性けいれんはふつう5〜6分で治まり、元の状態にもどりますが、次のような時はできるだけ早く病院にか
かりましょう。
@けいれんが10分以上続く時
A一度治まったけいれんを、またくり返す時
Bけいれんが終わった後も、顔色が悪い、意識がないなど全身状態がすぐれない時