『こどものツボ』  U.よくある症状とその看護

咳(せき)

ウイルスや細菌により、のどや気管支に感染が起こると、分泌物が増えてのどや気管支にた まります。このたまった分泌物(タン)を外へだすのが咳です。また、ほこりなどの異物を吸 い込んだ時にも、これをだそうとして咳がでます。 咳は、呼吸の妨げとなる分泌物や異物を体の外へだそうとする人間の体の自然なはたらきに よるものです。

治療

ふつうの咳は無理に止める必要はありません。 しかし、激しい咳が続くと、夜眠れなくなり、体力を消耗します。また、胸が痛くなったり、咳で吐いたりすることもあります。 このような時には、次のような薬が処方されます。
@神経にははたらいて咳を止める薬
Aタンを切れやすくする薬
B気管支をひろげる薬

家庭での看護

@部屋の湿度を上げる
空気が乾燥していると、咳がでやすく、タンが切れにくくなるので、加湿器を使ったり洗 濯物を室内に干したりして、湿度を上げましょう。
A部屋の空気をきれいに保つ
タバコの煙やほこりなど、空気の汚れも咳の原因になります。こまめに窓を開けて空気を 入れかえましょう。
B咳こむ時は体を起こし、楽な姿勢に
咳こんだ時は、たて抱きにするとか、上体を少し高くして寝かせてあげると楽になります。 また、背中を軽くトントンたたいたり、さすってあげたりするとよいでしょう。
C少しずつ何度も水分補給を
咳が少し落ちついたら、少しずつ何回かに分けて水分をとらせましょう。タンが切れやす くなります。お茶やイオン飲料などがいいでしょう。ただし、冷たいものやオレンジジュー スなどの果汁は、咳こみやすいので避けましょう。
D食事はのどごしのいいものを
パンやおせんべい、ビスケットなどパサパサしたものはのどを刺激します。スープやうど んなど水分が多く、のどをツルンと通るものがいいでしょう。

赤ちゃんののどの粘膜はとても敏感なので、少しの気温の変化でも咳がでますが、機嫌 がよければ心配ありません。咳こんで顔色が悪くなったり、眠れなかったり、飲んだもの や、食べたものを咳で吐いたりするような時には、診察を受けてください。