『こどものツボ』  U.よくある症状とその看護

下痢

下痢とは、いろいろな原因で胃腸のはたらきが悪くなり、食べ物が消化吸収されずにそのま ま便としてでてくることをいいます。 そのため、ふだんと違った水っぽくて形のない便になりますが、少しゆるい便からまったく 水のような便までいろいろな程度があります。 下痢の原因には、カゼをひいた時に起こるウイルス性の下痢がもっとも多く、その他に食中 毒のような細菌による下痢や抗生物質による下痢、食事による下痢などがあります。

脱水症

下痢の時は、体の中の水分が失われていきますので、いわゆる脱水症に気をつけることが 必要です。 脱水症になると、体の中の血液の循環が悪くなるために栄養や酸素が十分に運ばれず、体 力があっという間になくなっていきます。 おしっこの量が減って皮膚のはりがなく、顔色が悪くてぐったりしていたら、脱水症が進 んでいることを考える必要があります。とくに熱や嘔吐が一緒にある時は、脱水症が早く進 むので注意してください。

治療と家庭での看護

食 事: 水分の補給がもっとも大切です。 食欲がなければ無理に食べさせる必要はありません。
飲み薬: 消化剤や下痢止めが処方されます。細菌性の下痢の時は、抗生物質が必要です。
点 滴: 水分が十分とれなくて脱水症がある場合には、点滴が必要になります。
入 浴: 熱がなく元気があれば入浴はかまいません。熱があったり、元気がない時でも、おしりはお湯で洗ってきれいにして      あげましょう。