『こどものツボ』  U.よくある症状とその看護

便秘

離乳食が進んでいても、うんちがとても硬くて、うんちをする度に苦しんだり、肛門が切れ て痛がったりすることがあります。 このような状態が続くと、うんちをすることをがまんするためにますます便秘がひどくなる ので、積極的に治療しなければなりません。

治療

@綿棒浣腸
綿棒の先にベビーオイルやオリーブ油をつけ、おしりの穴に1cmくらい入れて肛門のまわ りを刺激します。
A坐薬
肛門の中に入ると溶けて薬の成分が腸を刺激します。
Bグリセリン浣腸
綿棒浣腸でも便がでない時は、グリセリンという液をおし りから入れて腸を刺激します。
家庭用ではイチジク浣腸Rがあります。
C便摘
便がおしりの出口でとても硬くなっている時は、直接うんちをかきだします。
D飲み薬(下剤)
便秘のタイプに応じて使われる薬が違います。
マルツエキス: 麦芽糖でできたあめのようなもので、腸で分解して腸の運動を刺激します。
ラキソベロンR: 直接腸を刺激して腸の運動を早めます。
酸化マグネシウム: うんちの中に混じって、うんちから水分がなくなるのを防ぎます。その結果、うんちが水分を含んで軟らかくなります。

家庭での看護

@規則正しい生活のリズム(早寝早起き、食事時間を守るなど)を作ることが大切です。
Aおなかを「の」の字を書くようにさすってあげましょう。
B飲んだり食べたりする量をみなおしてみましょう。
C離乳食が進むにつれ、使用する食品はかたよりがないよう、米などの穀類、豆類、魚・肉などのたんぱく質性食品、野菜・果物など、いろいろなものを組み合せるようにします。
D次のような食品を月齢に合わせて調理してあげましょう。
○食物繊維を多く含む食品 (便の量を増加させ、腸の運動を促し、排便しやすくします)
・穀類……オートミールなど
・芋類……さつまいもなど
・果物……プルーンジュース、プルーン、みかんなどの柑橘類、レーズンなど
・野菜……小松菜、にんじん、大根、キャベツ、白菜、ほうれん草など
・豆類……納豆、煮豆つぶし、おから料理など
・海藻……わかめ、ひじきなど
○乳製品 (便を軟らかくします)……・・・・ヨーグルトなど
○油脂類 (便のすべりをよくします)……バター、マーガリン、植物油、すりごまなど