こどものツボ2
小児肥満症
どんな病気?
体の脂肪組織が必要以上にふえた状態で、症候性肥満と単純性肥満があります。単純性肥満は肥満以
外に病気がないものをいい、小見肥満の大部分はこれに含まれます。
肥満かどうかを判定するのに、乳見にはカウプ指数、幼児以上には肥満度を用いるのが一般的です。原
因は遺伝3に対して環境7くらいの割合ですが、最大要因は過食です。摂取力ロリーが消費工ネルギー
を大幅に上まわると肥満になります。過食が単純肥満の原因といつても過言ではありません。
カウプ指数=体重(kg)÷{身長(cm)×身長(cm)}x10
この指数が、乳児は22以上、幼見は20以上が肥満です。
肥満度(%)={実測体重(kg)一標準体重(g)}÷標準体重×100
肥満度は、実測体重が自分の年齢の標準体重からどのくらい離れているかを見るもので、20%以上が
肥満です。
単純性肥満の場合、問題なのは10歳前後以降の小学生です。乳見の肥満はその後の肥満にはかならず
しもつながりませが、肥満は、年齢がすすむにつれて治療がむずかしくなります。一般的に肥満度がプ
ラス20-30%の場合を軽度肥満といい、中度、高度と高くなるにつれて、高血圧、高脂血症、糖尿
病など、生活習慣病を合併するリスクが高くなり、食事療法や運動療法が必要になります。
動物性脂肪、砂糖、塩分のとりすぎに注意しましよう。
現代は食事が洋風化しており、外食もふえ、子どもたちは、肉、卵、牛乳、スナツク菓子、甘いお菓
子、加工食品などをとりすぎる傾向にあります。そのために、動物性脂肪、砂糖、塩分を過剰摂取して
いる子がおおく、生活習慣病を弓1き起こすおそれがあります。この傾向が低年齢化しているのも問題で
す。
食事の基本と注意
離乳期の食事
(1)薄味にする。離乳食の味付けは、大人からすれば、かなりの薄味でちようどいいのです。
乳児期から塩分の濃い味付けに慣らさないようにし、だし汁やスープを使うことで、うまみを
だしましよう。
(2)甘みは極力避ける。乳児期の甘みは、果物や手づくりの離乳食に使う少量の砂糖、ボーロ
などの乳児用のお菓子程度で十分です。ケーキやアイスクリームなど、市販の甘味を早いうち
から与えないようにします。
(3)無理に食べさせない。せっかくつくった食事を食べてくれないと、つい無理強いしがちで
すが、食べる量は赤ちやん自身が決めることです。また、飲み込む前に、つぎつぎにせかすよ
うにあたえるのもやめましよう。
幼児期の食事
1日4食を規則正しくとり、生活のリズムをととのえます。
幼児期は一度に食べられる量がまだ少ないので、間食を含めた一日4食で必要な栄養をとるようにしま
す。好きな時間に好きなものをだらだら食べるのではなく、食事時間を決めて、規則正しく取るように
します。それによって、外遊びやお昼寝の時間もだんだん決まってくるので、生活のリズムがととのえ
られいつも適度におなかのすいた状態で、食事をとれるようになります。幼児期に身についた食習慣は、
一生の食生活に大きな影響を与えるといわれています。
学童期の食事
小、中学生になると塾やおけいこ、クラブ活動などで帰宅が遅くなる子が多く、夕食の時間も8〜1
0時台と遅くなります。これは「夜食症候群」といわれており、体が休息する時間帯に多くのエネルギー
が補給されるため、肥満になりやすい傾向にあります。
幼児の肥満簡単チエツク
この半定評は、将来の「肥満予備軍」となりやすい1歳一5歳までの幼児が対象。1万2千人余の幼
児を対象にした1990年の身体発育調査を基に、幼児の身長ごとの標準体重を設定した。これを基準に、
肥満度を算定し、肥満度15%以上の幼児を「肥満」と定義した。
成人の「肥満」は通常、肥満度20%以上だが、幼児の場合は太りすぎを未然に防ぐ観点から、境界を厳しく設定した。
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