こどもの病気

こどものツボ2

 ■いろいろなあざ

イチゴ状血管腫

どんなあざ?

毛細血管が異常に増えたことによりできる赤いあざの一種です。生まれて数週間ぐらいたってから、赤い斑点があらわれて徐々に広がって盛り上がっていきます。表面がでこぼこしていて切ったイチゴを肌の上にのせたように見えるのが特徴です。大きさは数ミリから数センチ、中には20センチほどまで大きくなるものもあります。顔にできることが多いのですが、体の表面のどこにでもみられます。生後6ヶ月から1年くらいで勢いは弱まり、その後は自然に消えていき6〜7歳頃には治っていきます。

治療

一般的には自然に消える時期が来るのを待つことが多いですが、最近では早い段階で積極的に治療をすると、あざの広がりや盛り上がりを抑えて短い期間で治ることも分かってきました。また、できた場所によって視力障害、難聴、呼吸や食事をすることに影響があるなどの場合や、口唇や外陰部などの傷つきやすく出血を繰り返してしまうような場所は積極的な治療が必要です。治療方法はレーザー治療、ステロイドの投与、ドライアイスで部位を凍らせる方法などがあります。 自然に消えても表面のでこぼこや色が白く抜けたり、しわやたるみが残ったりすることもあります。外観が気になるようなら、手術を行うこともありますが、特に治療時期は決まっていません。

ウンナ母斑

どんなあざ?

生まれたときからある、平らな赤いあざです。うなじや後頭部の中心部分にできます。赤ちゃん全体の1割ぐらいに、このあざが見られます。

治療

自然に消えることもありますが、少し時間がかかります。3歳頃までに半数が消えますが、1割ぐらいが大人になっても残っていることもあります。髪の毛で隠れてしまうことが多いので、特に治療はしないことが多いのですが、外観が気になるようなら、レーザー治療をすることもあります。

サーモンパッチ

どんなあざ?

平らで境界線がはっきりしていない、生まれた直後からあるサーモンピンクのあざです。顔の中央、上まぶた、上唇などにでき、帯状や逆三角形の形をしています。

治療

ほとんどが1〜3歳頃までに自然に消えます。眉間から額の中央にかけての場所にある場合は、大人になっても残っていることがあり、お酒を飲んだりしたときなどに赤みが増すこともあります。外観が気になるようなら、レーザー治療をすることもあります。

単純性血管腫

どんなあざ?

皮膚の深いところの毛細血管が異常に増えてできる、平らで境界線がはっきりしている、生まれたときからある赤いあざです。明るいピンク色から濃い紫色まであり、大きさ、形は様々になります。色が赤ワインに似ていることから、ポートワイン血管腫とも呼ばれます。

治療

自然に消えることはありませんので、外観が気になるようなら、レーザー治療をします。顔や頭などの場所にできている場合は、大人になると盛り上がってくることもあるので、盛り上がる前に治療をします。また上まぶたの場所は視力に影響を及ぼす恐れがあるので、早めに治療したほうがいいでしょう。

扁平母斑

どんなあざ?

平らな茶色いあざです。ミルクコーヒーに似た色のあざでカフェオレ斑とも呼ばれます。生まれたときにあるものと、思春期の頃から目立ってくるものがあります。思春期になってできた場合には、少し薄い毛が同時に生えてくる場合があります。生まれたときに6個以上のカフェオレ斑がある場合には、レックリングハウゼン病の疑いがあります。

*レックリングハウゼン病とは? 神経や皮膚など体の様々なところに、異常が出る遺伝性の病気です。

治療

悪性化することはまずありません。自然に消えることもありませんので、外観が気になるようなら、レーザー治療をします。生まれたときからある扁平母斑を、大人になってから治療すると、しばらくは消えていても次第に再発することもみられるため、早めに治療をする病院も増えています。

先天性色素性母斑

どんなあざ?

平らだったり、でこぼこだったりする、「ほくろ」の大きなもので、黒いあざです。原因は、はっきりと分かっていません。

治療

ほとんどのものは心配ありませんが、足の裏、かかと、手のひら、外陰部などの場所や、5センチ以上のものや、急に大きくなって盛り上がった時などは、悪性になる可能性があるので受診しましょう。悪性の可能性がある場合は、切除する手術をします。外観が気になるようなら、レーザー治療をすることもあります。

蒙古斑

どんなあざ?

お母さんのおなかの中で、赤ちゃんの色素細胞(メラノサイト)が皮膚の中から外へ移動する間に、とどまって残ったためにできる生まれたときにある青いあざです。黄色人種のほとんどの赤ちゃんに見られます。形は様々で、境界はあまりはっきりしないものが多く、数も一つからたくさんあることもあります。お尻や背中に出来ることが多いのですが、それ以外の場所にもできることがあります。お尻や背中以外の場所にできるものを異所性蒙古斑といいます。

治療

生まれてから2歳ぐらいまでは、青みがありますが、その後は徐々に薄くなり、10歳ぐらいまでには消えます。蒙古斑に比べて異所性蒙古斑は、消えにくく大人になっても残ることがあります。治療は特にしませんが、外観が気になるようなら専門医に相談しましょう。

太田母斑

どんなあざ?

顔や目の周りを中心にして、頬や額、こめかみなどに広がる青や青紫のあざです。時には、目の中にも青色の色素沈着が見られます。男性よりも女性のほうが多く、生まれたときから目立つ場合と幼児期や思春期に目立ってくる場合があります。

治療

外観が気になるようなら、レーザー治療をします。小さいうちのほうが効果は高いのですが、痛みを伴うので専門医と相談しましょう。

片山こどもクリニック