こどものツボ2
ライ症候群
ライ症候群とは、オーストラリアの学者ライが報告した病気で、脳の浮腫と肝臓の働きがおちる(肝機能障害)急性脳症の一つです。
症状
子どもが、ウイルスによる感染症、特にインフルエンザや水痘などにかかったとき、突然嘔吐や意識障害、けいれんなどが起こります。肝機能障害や高アンモニア血症、凝固障害(血液が固まりにくくなる)、低血糖などを起こし命にかかわるため早期の治療が大切です。
原因
原因は不明です。しかし、インフルエンザや水痘などのウイルス感染と、その時使用した解熱剤のアスピリンが関係している可能性があると言われています。
検査、診断
・ ウイルスによる感染症後の急性脳症(嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状)
・ 血液検査での肝機能障害、高アンモニア血症、凝固障害、低血糖
・ コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴装置(MRI)による脳浮腫の所見
などにより診断されます。
治 療
救命治療のできる病院での早期治療が必要です。
入院し、脳圧を下げる治療やけいれんがあれば抗けいれん薬を使用します。
出血予防には、ビタミンKや新鮮凍結血漿を使用し、低血糖にはブドウ糖の点滴をします。
急性期の状態により予後はさまざまで、回復することもありますが、重症の場合は、知的障害やけいれん発作などの後遺症を残すこともあります。
注意
解熱剤としてのアスピリンの使用がこの病気に深くかかわっている可能性がありますので、現在は主にアセトアミノフェンが子どもの解熱剤として使われています。
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