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RSウイルス感染症     おすすめ リンク 国立感染症研究所

 RSウイルスは毎年冬になると流行する「カゼ」の原因のウイルスのひとつで、感染力がとても強く、2歳頃までにほとんどの子どもがかかります。 鼻水や咳、熱などのかぜ症状で始まり、ふつう1〜2週間で治りますが、中には細気管支炎や気管支炎、肺炎などを起こすことがあります。 とくに6か月未満の赤ちゃんやもともと心臓や肺に病気をもっている赤ちゃんがこの病気にかかるととても重症になりやすいので注意が必要です。 また、この病気は、一度かかっても抵抗力(免疫)が十分にできないため何度でも繰り返してかかるのが特徴です。

治療

飲み薬 : 抗生物質やタンの切れる薬、気管支をひろげる薬などカゼのときの薬が処方されます。 呼吸が苦しくなる時は、喘息で使用する抗アレルギー剤や気管支拡張剤またはステロイド剤を使うこともあります。

家庭での看護

水分: 水分が不足しないように気をつけます。水分を十分とることによってタンが切れやすくなり、呼吸も楽になります。水分はジュース、お茶以外に、赤ちゃん用のイオン飲料なども加えるとよいでしょう。 呼吸が苦しいときや咳が多いときは、一度にたくさん水分をとると、胃がふくれて呼吸がより苦しくなったり、吐きやすくなったりするので、少しずつ何回にも分けてあげましょう。
食事: 消化のよいものをあげましょう。食欲がなければ、無理に食べさせる必要はありません。呼吸が苦しいときや咳が多いときは、水分と同じように、一度にたくさん食べさせずに少しずつ食べさせましょう。
睡眠:  呼吸が苦しい場合は、抱っこしてあげることが赤ちゃんにとって一番楽な姿勢になります。
咳 : 1日に3〜4回、1回あたり5分くらいの割合で、赤ちゃんの胸や背中を軽くトントンとたたいてあげると、タンが動いて呼吸が楽になることがあります。
加湿:  部屋の空気が乾燥しないように十分な加湿をします

注意

カゼと診断された後、高い熱やひどい咳が続いたり、ミルクやおっぱい、水分の飲みが悪かったり、呼吸がはやい、機嫌が悪い、元気がないなど具合が悪くなったらはやめに病院を受診しましょう。

*RSはRespiratory Syncytial という名前の略で、Respiratoryは「呼吸器の」、Syncytialは「合胞体(Syncytium):ウイルスが感染した細胞の集まり」の意味です。

参考資料 : 国立感染症研究所 RSウイルス感染症

片山こどもクリニック