予防接種Q&A

「ワクチン」という言葉の由来は?
A:「ワクチン Vaccine」はイギリスの医師ジェンナーが牛痘(Vaccinaワクチーナ)を 利用して天然痘を予防しようとしたことに由来します。
 
なぜ「経口ポリオワクチンとBCG生ワクチン」以外の生ワクチンは一歳すぎてから受けるのですか?
A:一歳まではお母さんの抗体(病原体をやっつける成分)が赤ちゃんの体の中に残っているため受けた生ワクチンのウイルスが十分に増えることができず、その結果ワクチンの効果が薄くなってしまうためです。
 
なぜ生ワクチンの経口ポリオワクチンとBCGは一歳前に受けることができるのでしょうか?
A:経口ポリオワクチンは腸の中で増えて免疫ができますので、血液の中のお母さんからの抗体の影響がないからです。 また、BCGは結核に対する免疫を赤ちゃんがお母さんからもらうことができないからです。
 
卵アレルギーがある場合のワクチンの接種の仕方は?
A:卵インフルエンザワクチンは鶏卵を使ってウイルスを増やしワクチンを作っています。 かなり精製してほとんど卵成分が混じらないように作られていますが、強い卵アレルギーを持つ人は注意しなければなりません。 また、MRワクチン、麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチンはニワトリの胚細胞を使ってウイルスを増やしていますからほとんど卵アレルギーは心配しなくてもよいのですが強い卵アレルギーの人は医師と相談しましょう。 アレルギー反応が起こりやすい人にはあらかじめテストをしてワクチンを接種する方法もあります。
 
けいれんを起こしたことがある子どもの予防接種はどうすればよいのでしょうか?
A:以前はけいれんを起こしてから1年間は接種ができませんでした。 現在はふつうのけいれんならば2〜3カ月たてば接種できるように指導されます。 けいれんを起こしやすいならばむしろ積極的に病気を予防してけいれんを起こす機会を減らしたいものです。
 
ブースター効果とはどういうものですか?
A:ワクチンの接種を追加するごとにワクチンの効果が前回より高まることを指します。 また、ワクチンを接種した後、予防する病気に周囲から軽く感染することが繰り返しても同様にワクチンの効果が続くようになります。 予防接種が普及すると病気の流行が少なくなりますが、同時にワクチンを受けた後に自然にブースター効果が起こりにくくなりますのでワクチンの効果がはやく低くなってしいます。そのためワクチンを追加で接種することがますます重要になってきています。
 
ワクチンはどのようなものが含まれているのでしょうか?
A:病原菌からつくったワクチンの有効成分のほかに、効果が落ちないように加えられる安定剤や緩衝剤、ワクチンが汚染されないようにするための抗生物質や保存剤、あるいは効果を高めるためのアジュバントと呼ばれる物質などがあります。 これらの成分にアレルギーがある人は気をつけなければなりません。
 
海外との予防接種のちがいはどのようにあるのでしょうか?
A:ワクチンは各国の病気の状況に合わせてそれぞれスケジュールが組まれています。 ワクチンの種類、接種回数、接種方法など各国によって違っています。 ワクチンの効果が出るまでには時間がかかりますし、時には接種の証明書が必要な時もあります。 海外へ渡航したり海外から帰国したりした時は、かかりつけの医師や専門の医療機関にできるだけ早く相談することが大切です。
 
ワクチンを受けた後はもんだ方が良いのでしょうか? それとももまない方が良いのでしょうか?
A:もむかもまないかはまだ医師によって考え方が違うようです。 しかし、効果についてはデータからすると差はありません。 もまない派の考え方は、強くもむことによって血管に傷がつき、ワクチンの副作用があらわれやすくなると考えます。 また、ふつうの皮下注射のように、薬を早く体の中にひろげる必要が無いためです。 一方、注射を打った後はもむことが日本人の慣習として強く残っています。
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