日本脳炎に関するQ&A日本脳炎に関する         厚生労働省日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A

Q: 予防する病気は?

A: 日本脳炎
この病気を起こすウイルスは、日本脳炎ウイルスを持った豚を刺した蚊(コガタアカイエカ)によって人に感染します。
今でも西日本地区を中心として、日本国内に分布しています。世界的にも東南アジアで多く発症しています。
この病気にかかると、高熱、頭痛、嘔吐、けいれんなどの症状があらわれ、急性脳炎になります。
死亡率も高い病気ですが、神経の後遺症も高い割合で残ります。
 

Q: ワクチンの種類は?

A: 不活化ワクチン
 

Q: 標準の接種年齢と回数は?

A:1期:  3歳過ぎに1〜4週間(6日〜28日)で2回(初回接種)
       初回接種のあと1年後に追加接種 として1回
  2期:  小学校4年生に1回

 

Q: 副反応はある?

A: 熱が出たり、注射のあとが少しはれたり、発疹がでたりすることがあります。
また、極めてまれに、ADEM(アデム、急性散在性脳脊髄炎)が発症すると考えられます。
ある種のウイルスの感染後にまれに発症する脳神経系の病気で、発熱や、頭痛、けいれん、運動障害などの症状があらわれます。
現在の日本脳炎ワクチンは、マウスの脳組織を利用して製造していますので、その成分によってADEMが起こる可能性が否定できません。
 

Q: 次に別のワクチンを接種するまでの期間は?

A: 制限なし
 

Q: 大きくなっても日本脳炎ワクチンをちゃんと接種してない場合はどのように接種すればよいでしょう?

A: @まったくワクチンを受けていない場合・・・初めから受けてください

A初回接種1回のみの場合・・・初回から1〜2年以内でしたら、あと2回追加して基礎免疫を終了してください。
3年以上たっていたら、初めからやりなおしてください。

B初回接種2回のみの場合・・・5年以内でしたら追加接種としてあと1回接種してください。
その後も4〜5年毎に追加接種を受けてください。
5年以上たっていましたら、初めから受けなおした方が確実です。

C初回接種は終わっているが追加接種が終わっていない場合・・・初回接種が終わっていれば5年以上たっていてもあるていど免疫が保たれていますので、追加接種としてあと1回接種してください。
その後も4〜5年毎に追加接種を受けてください。
 

Q: 日本脳炎ワクチンの標準の接種年齢は3歳からですが、それ以前に接種することはでき ますか?

A: 海外に渡航する場合や周辺の患者さんの発生状況によって3歳以前にワクチンを接種できます。 標準接種年齢が3歳以上になっているのは、日本脳炎の発生がいまのところ南の地方に限られていることや3歳までに受けるべきほかの定期接種のワクチンがたくさんあるからです。
 

Q: 日本脳炎は一年のうちいつ頃接種すればよいのでしょうか?

A: 一年中いつでも接種できます。 しかし日本脳炎ウイルスを運ぶ蚊が活発に活動する夏場の前までに接種を済ませておきたいものです。
 

Q: U期(9歳〜13歳未満)が終わった後の追加接種はどうすればよいのでしょうか?

A: ワクチンの効果は年齢とともに低くなってゆきますので、できれば4〜5年ごと、少なくとも10年ごとに接種することが勧められています。
 

Q: 日本脳炎は日本では患者さんの発生が少ないと聞きますが、ワクチンを接種する必要はあるのでしょうか?

A: 確かに日本での患者さんの発生はここ数年一桁で推移しています。 しかし東南アジアなど日本以外に目を向けると、日本脳炎はまだまだ流行を繰り返している恐ろしい病気です。 現在は人の交流が昔に比べてとても多くなっていますので、日本人が海外へ行った時に感染したり海外から日本の国内に病気が持ち込まれたりする機会が増えていることを考えるとぜひとも日本脳炎ワクチンは接種しておきたいものです。
 

Q: 以前日本脳炎ワクチンの副作用の疑いで問題となったADEM(急性散在性脳脊髄炎)とは?

A: ADEM(急性散在性脳脊髄炎)とはある種の病原微生物(はしか、風疹、水ぼうそうなどのウイルスや溶連菌、マイコプラズマなど)による感染の後やワクチン接種の後、あるいは原因がはっきりわからなくて起こる神経系の病気です。 脳やせき髄の軸索という部分が炎症を起こし神経の回路がうまく働かなくなるため、脳炎や神経のマヒ症状があらわれます。
 

Q: ADEM(急性散在性脳脊髄炎)が起こって中止になった以前のワクチンと現在接種されているワクチンはどのように違うのですか?

A: 以前の日本脳炎ワクチンは日本脳炎ウイルスを感染させたマウスの脳を取り出し、その成分を精製して作られていました。 そのためマウスの脳の成分がADEM(急性散在性脳脊髄炎)を引き起こした可能性が否定できませんでした。(確定もできていません) 現在の日本脳炎ワクチンは、Vero細胞という細胞の中でウイルスを増やしてワクチンを作っています。 このVero細胞はいろいろな目的でウイルスを増やすために世界中でもっとも使われている細胞の一つなのでより安全といえるでしょう。
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