『こどものツボ』  IV.陰部・尿の病気

陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)

どんな病気?

陰嚢水腫とは、睾丸のまわりの鞘膜(しょうまく)とよばれる部分に水がたまって、陰嚢 が大きくふくれてみえる病気です。 弾力がある丸い球状のもので、光を当てるとすけてみえ、ふつう痛みやかゆみはまったく ありません。大きさも、大きくなったり小さくなったりすることがあります。 腹膜鞘状突起(ふくまくしょうじょうとっき)という部分に水がたまると、もものつけ根 のところに同じような丸いふくらみができ、精索水腫(せいさくすいしゅ)とよばれます。

治療

ほとんどの場合、たまった水は体の中に吸収されて治るので、3歳頃までは特別な治療は しません。
3歳をすぎても変化がみられない場合は、手術をすることがあります。

家庭での看護

特別なことをする必要はありませんが、お母さんが自分で判断をしないで必ずきちんと診 察を受けましょう。

注意

痛がったり大きさが変わってきたりする場合や、光を当ててもすけてみえない場合、鼠径 (そけい)ヘルニアという別の病気の疑いもあります。また、陰嚢水腫と*鼠径(そけい)ヘルニアを同時に起こす場合もあります。

*鼠径(そけい)ヘルニアとは、腸がもものあたりにはみだす病気です。