『こどものツボ』 X.小さな赤ちゃんの気になる症状
臍(さい)ヘルニア
どんな病気?
臍(さい)ヘルニアとは、へそのお(緒)が取れた部分(臍輪)がまだしっかりと閉じて いないため、そこから腸の一部がおへその中に飛びだしたもので、いわゆる「でべそ」です。 泣いたり、怒ったりしておなかに力が入るとふくらみ、軽く手で押すとひっ込みますが、 またすぐ元にもどります。 生まれて1ヶ月頃から目立ちはじめ、2〜3ヶ月頃はしだいに大きくなります。その後は 赤ちゃんのおなかの筋肉が発達してきますので、徐々に小さくなっていき、多くの場合、1 歳を過ぎると自然に治ります。
治療
臍ヘルニアがあっても、健康上は問題がないので、自然に治るのを待ちます。 1歳を過ぎても治らない場合は手術を考えますが、大きい臍ヘルニアは早めに手術するこ ともあります。 昔は、おへその上にお金をのせて押さえたり、ばんそうこうをはったりするとよいといわ れたようですが、皮膚がかぶれたり、細菌が増えたりすることがあるので、注意が必要です。
注意
力を入れるとおへそが飛びだすため、泣かせてはいけないのかと不安になるかもしれませ んが、泣くことが赤ちゃんのおなかの筋肉を発達させることにもなり、心配する必要はまっ たくありません。 また、臍ヘルニアは、他のヘルニアと違って、腸が締めつけられて危険な状態になること はまずありません。