こどものツボ2
子どもの成人病
一般に成人病といえぱ糖尿病、心筋梗塞、脳卒中のように、大人のかかる病気なのですが近年、子どもたちの間に、これら成人病と呼ばれる病気、あるいは成人病予備軍と考えられるさまざまの現象が観察されるようになり注目されています。つまり動脈硬化は子どものときから体内で、じわりと静かに進行しつつ進んでいるのです。
また肥満、高脂血症(コレストロール)、高血圧児など成人病の危険因子がすでに小児期にみられる成人病予備軍として存在し、これが増加傾向のあることが問題です。ところが早く成人病になる悪い生活習慣(多くは食習慣)は、1〜5歳の乳幼見期に身についてしまうため、これをどのように予防するかが、
今後の成人病対策の課題とされています。
小児期からみられる具体的なものとしては、
(1)肥満見が増えている
(2)コレストロールの高い(高脂血症)子どもがふえている
1日70gのタンパク質のうち動物性タンパク質は20gで十分です。大豆や穀類からも良質の植物性タンパク質は得られます。
(3)小学生や中学生のときから血圧の高めの子が増加している
高コレストロール、高血圧、肥満は動脈硬化を起こす代表的悪ものですし、動脈硬化は、狭心症、心筋梗塞の発症につながります。「動脈硬化は幼時の時期から始まる」ということがわかってきた現在、乳幼児期から正しい生活習慣をつけておくことが大切です。
成人病予防のための食事
(1)雑食にする、和、洋、中華風の特徴を生かしたバラエティーに富んだ食事内容にすることです。
(2)偏食にしない。バランスよく食事に偏りがおきないよう、おいしく何でも食べさせることが基本です。
(3)調理はうす味を心がけ、食塩を減らす。
塩味は、からだの塩類バランスを整える信号の味といわれていて、人間が生きていくのに不可欠なものと考えられてきました。しかし最近の研究で、生理的に必要な量は、天然の食品の中に含まれ
る塩化ナトリウムだけでほぼ足りるので、塩味として加える必要はない、ということがわかってきました。
つまり、塩味の濃い味付けを好むかどうかは、離乳期からの食習慣で後天的に決まることになります。しかも塩味に対する慣れはかなり早くから出来、かつ、一生続くことがわかっていますから、
離乳期の味付けは重要な意味を持ってきます。
(4)食物繊維を十分とるようにする
(5)砂糖をとりすぎない
甘味は生理的に受け付けやすい味覚です。甘味は酸味や苦味などの味を隠す作用があるので、味付けに砂糖を使っていると、甘いということに満足して、ほかの味になれることが出来ません。
そこで味覚の発達が阻害されます。