■ 白髪

白髪は黒だった髪の毛の色素がなくなってしまったものと思っている人が多いと思いますが、実は私たちの髪の毛はもともと黒い色ではなく白髪なのだそうです。
髪の毛は毛母細胞が作り出します。そこにメラノサイト(色素細胞)の働きが加わりメラニン色素によって黒色になっているのです。黒髪は髪の毛が作り出される過程で、メラニン色素と合成され黒い色に染められて生えてきているのです。

白髪になるというのは、「欠失型」と呼ばれるメラノサイトがメラニン色素を作り出せなかった時、あるいは、「休止型」と呼ばれる毛母細胞のシステムが狂いメラニン色素を受け入れず黒色に染めることができなかった時にできるとされています。
毛髪は、髪の毛が作り出される過程で色素の合成が行われるので、一度黒髪として伸びてきた髪の毛の色が抜け白髪になることはないと言われています。しかし、何らかの理由で突然色素の合成がされなくなると、それまで黒髪だったものが途中から白髪になることはあるようです。

髪の毛は毛穴から生えていますが、毛穴の中にははじめから髪の毛の元となる毛母細胞やメラノサイトがあるのではなく、バジル領域という場所で髪の毛の元となる幹細胞が生まれ育ちます。幹細胞が成長すると毛球部へ移動しますが、このときに幹細胞は毛母細胞とメラノサイト(色素細胞)に分かれるのです(分化)。分化して毛母細胞となった幹細胞が髪の毛そのものを生み出します。このときにメラノサイトが作り出したメラニン色素を毛母細胞が取り込み合成させ、黒い色となって毛穴から出てきているのです。

この毛母細胞とメラノサイトの働きが正常な状態は「成長期」と呼ばれ、2〜7年活動をするといわれています。そのあとは「退行期」と呼ばれる時期があり(2〜3週間)、髪の毛が抜け落ちる「休止期」が(3〜4ケ月)が訪れる、これが髪の毛のワンサイクル。そしてまた、バジル領域から新たな幹細胞が生み出され、毛球部へ移動し、髪の毛が作り出されるのです。