■ PEAの病態 無脈性電気活動 (Pulseless Electrical Activity)

無脈性電気活動 (Pulseless Electrical Activity)PEAの病態

PEAとは日本語で無脈性電気活動と言います。その名の通り、電気活動はあるんだけど脈はない状態です。
もっと分かりやすく言うと、心電図波形があるのに、脈が触れない状態です。



PEAの心電図


これと言った心電図はありません。何かしらの波形があるんだけど、脈が触れなかったらPEAです。ただし、心室細動と心室頻拍は除きます。



治療可能な原因検索「6H5T」



一次救命のBLSではCPRをしている間は他のことはしませんが、成人・小児の二次救命の
ACLS・PALSでは、CPRをしている約2分間の間、リーダーは心静止/PEAの治療可能な原
因の検索をします。それぞれのコースでは、自分がリーダー役になった時に評価がなさ
れます。ACLSコースでもメンバーがCPRをしている間に原因検索をしないといけません
し、PALSでも治療可能な原因を3つ以上口述しなければならないことになっています。

治療可能な原因は以下11個あります。頭文字「H」から始まる項目が6個と「T」から始ま
る項目が5個ありますので「6H5T」と言っています。
・循環血液量減少(Hypovolemia)
・低酸素症(Hypoxia)
・水素イオン(Hydrogen ion)(アシドーシス)
・低/高カリウム血症(Hypo-/hyperkalemia)
・低血糖(Hypoglycemia)
・低体温(Hypothermia)
・毒物(Toxin)
・心タンポナーデ(Tamponade,cardiac)
・緊張性気胸(Tension pneumothorax)
・血栓症(冠動脈または肺動脈)(Thrombosis)
・外傷(Trauma)(循環血液量減少)



循環器



Primary ABCD Survey ≒ BLS

BLS+モニター心電図をつける
→モニター上心静止(Asystole)の場合、以下の項目を確認する。(flat line protocol)
•心幅の低いVFが隠れていないか?(fine VF)
•誘導を変えたり、感度を上げたり、電極の確認を!
•蘇生努力拒否や尊厳死の宣誓書などの蘇生行為を拒否する証明書はないか?


心停止とは、VFやPulselessVT、PEA、心静止をすべて含み、本来の心拍出量がでほぼ/全くなくなった状態である。電気的除細動が有効なのはVFとPulselessVTのみ。PEAと心静止(Asystole)には除細動の適用はない。
追記:
Asystoleにカウンターショックは かけてはいけない。
カウンターショックを行うことは 強い副交感神経刺激を心臓に加えることになるので(J Am Coll Emerg Phys 8:448,1979) これを行えば心室静止が洞調律に戻る可能性が激減する。臨床的にも心室静止に対してのカウンターショックは生存率を全く改善していない。(Ann Emerg Med 13:827,1984)




AEDを使用した場合、「正常」「心臓の完全な停止(心静止)」「心房細動」に対しては、AEDの診断機能が「除細動の必要なし」の診断を下し通電は行われない。〜必要ありませんとAEDが言っても、CPRをやめないこと。


Secondary ABCD Survey ≒ ACLS
•Airwayできる限り早く気管挿管
•Breathing挿管の確認後、換気
•Circulation静脈路確保後薬剤投与
•Diagnosis可逆的な原因の検索と治療


経皮的ペーシング:もし考慮したらただちに行う
PEAと同様に可逆的な原因10項目かどうか検索する
病歴・身体所見・心電図・検査結果より検索!(5Hs,5Ts)


PEA, Asystoleの原因疾患、病態(覚え方)
* Acidosis: アシドーシス
* Bleeding: 大量出血
* Cardiac tamponade: 心タンポナーデ
* Drug: 薬物中毒
* Embolism: 肺塞栓症
* Freezing: 低体温
* Gas: 低酸素血症
* Hyper/Hypo K: 高K、低K血症
* Infarction: 急性心筋梗塞
* Jam: 緊張性気胸

→ CPRを継続すると同時に原因疾患の治療を行う
     ↓
使う薬は? 
•エピネフリン(ボスミン)1mg(1A)ivを3-5分おき
•徐脈の場合:アトロピン(硫酸アトロピン) 1mg(2A)ivを3-5分おき最大0.04mg/kg

心静止持続 蘇生行為の継続?中止?
•目撃されたCPAの場合は心静止を確認して30分
•目撃されてないCPAの場合は15分

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http://ww5.enjoy.ne.jp/~machokato/Asystole.htm

日本大学ACLS委員会Text
http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/eccm/ACLS_text.pdf