■ フッ素歯のフッ素症(斑状歯)




https://www.jda.or.jp/park/prevent/index05_06.html





化物応用いろいろ / Q&A



(2)歯のフッ素症(斑状歯)

 歯の形成期、永久歯では出生から満8歳までの間に高濃度のフッ化物を含む飲料水を継続的に飲用すると、歯のエナメル質が白く濁って見える、歯のフッ素症 (斑状歯) が発生することがあります。歯がつくられるとき、厳密にはエナメル質の形成時だけエナメル質をつくる細胞(エナメル芽細胞)がフッ化物に敏感に反応し、過剰摂取が続くと体のほかの組織には異常が全くみられなくても、歯が白くなる場合があるのです。

  歯のフッ素症の発症の程度および部位は、エナメル質の石灰化時期におけるフッ化物摂取量、フッ化物に暴露する持続期間などにより決まります。審美的に問題がなく専門家でないと検知できない程度の軽微なものから、歯のエナメル質の一部から全部を覆う白斑や褐色斑、さらには実質欠損を示す重度のものまで、様々です。

  非常に軽微なフッ素症は、非フッ素性のエナメル質の白斑と比較して鑑別が困難であり、また、過剰なフッ化物でなく、それ以外の原因によって類似の症状を示す場合があります。疫学調査で、歯のフッ素症と判定する基準としてあげられるのは、通常、左右両側に対称にみられ、歯を横断する水平的な縞模様を示す傾向があること、また、小臼歯および第2大臼歯が最も影響を受けやすく、続いて上顎の切歯であり、下顎の前歯が最も影響が少ないことなどです。診査者は、あらゆる歯の形成不全に留意して、その形成不全がフッ素症として典型的なものであるかどうか決定しなければなりません。原因となるフッ化物の供給源、とくに対象者の飲水歴を確認して、白斑がフッ素性かどうかを判断するのです。