■ 肉の色 |
畜肉の赤色はミオグロビンによるものであり、ミオグロビンの含量によって肉の色の濃さは異なります。 そのため、ミオグロビン含量の少ない鶏肉は白っぽく、多い牛肉は赤い色を呈しています。 また、年齢と部位によってもミオグロビンの含量は異なっており、仔牛よりも老齢牛で多く含み、運動のため酸素を多く消費する部位で多く含まれています。 一方で、肉の色調は、ミオグロビンに含まれる鉄の酸化状態によって決まります。 新鮮な生肉は、酸素を消費し無酸素状態ですので、2価の鉄を含む還元型(還元ミオグロビン:Mb)であり紫赤色を呈しています。 このMbが空気と触れることで酸素分子が結合し、酸化型(オキシミオグロビン:MbO2)となり鮮赤色を呈します。 MbからMbO2になり色が鮮やかに変化する、この現象はブルーミングと呼ばれています。 MbO2の状態からさらに酸化が進み、ヘムの2価の鉄が3価になるメト化により、メト型(メトミオグロビン:MetMb)となり褐色を呈します。 また、加熱によってもメト化が進みますので、肉を焼いた際に褐色となりますのは、この現象によるものです。 メトミオグロビンを還元することで、還元ミオグロビンとなり紫赤色へと戻りますが、加熱変性したメトミオグロビンは戻りません。 |