抗インフルエンザ薬 

★タミフル耐性のしくみ

インフルエンザウイルスにタミフルが効果を示さなくなることをタミフル耐性と表現します。
インフルエンザウイルスは人の細胞の中で増えて細胞の外に出てゆきますが、そのときウイルスのHAと細胞のシアル酸との結合を切り離さなければなりません。
ウイルスのNA(ノイラミニダーゼ)はシアル酸をポケットのようなくぼみにはめ込むときに働き始め(活性化)、シアル酸とHAの結合を切り離します。
タミフルはこのNAのポケットにシアル酸の代わりに入り込んでNAが働かないようにしてしまいますので、結果としてウイルスが細胞から外に出ることができなくなりウイルスの増殖が抑えられます。
タミフル耐性とはNAのポケットの形が変わったため、NAのポケットにタミフルがうまくはまることができなくなった変化をさします。
(骨格部変異) またうまくはまってもポケットの中のNAのスイッチを入れる部分が変化していてうまくスイッチが入らなくなる状況も出てきています。
(接触部変異) 抗インフルエンザウイルス薬のリレンザは、前者の変化の影響は受けませんが、後者の変化には大きく影響を受け、薬の効果がなくなります。