抗ヒスタミン薬 

★ヒスタミン

ヒスタミン (histamine) は分子式C5H9N3のアミンという化学物質です。 ヒスタミンは肥満細胞とか好塩基球などといった細胞の中にたくさん含まれています。 これらの細胞の表面にあるレセプターとよばれる場所にアレルギーを起こす抗原がくっついたり、感染や怪我などにより、 細胞の中のヒスタミンを含むいろいろな化学物質が外に出され、その結果アレルギー反応や炎症反応が起こります。 ヒスタミンは結合するレセプターによって働きが異なります。 レセプターには3種類あり、H1 H2 H3と表されます。 H1型--筋肉や血管、脳などにあり、炎症やアレルギー反応に関わります。 H2型--胃の細胞にあり胃酸の分泌反応に関わります。 H3型--脳の中で神経の情報を伝える働きに関わります。

★抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが体の受容体H1と呼ばれる部分にくっつくことを妨げることによって、アレルギー反応を抑えるための薬です。
第一世代と第二世代に分けられます。

第一世代抗ヒスタミン薬

昔からある薬で、ヒスタミンのはたらきを抑えるほかに、脳の働きを抑えたり、副交感神経の働きを抑えたり(抗コリン作用)します。 このはたらきを利用してアレルギーだけでなく、睡眠薬や乗り物酔い止めなどに使われますが、副作用として、眠気や倦怠感が現れれことがあり、また、けいれんなどの脳の病気が出やすくなります。 さらに抗コリン作用によって、タンが固くなり喘息の発作を悪化させることや、動機、口の渇き、吐き気などが出ることもあります。
ポララミン、タベジール、ペリアクチンなど

第二世代抗ヒスタミン薬  (抗アレルギー剤といわれることもあります)

抗ヒスタミンのはたらきと同時に炎症やアレルギーを起こす化学物質が細胞から出てこないようにするはたらきをもっています 多くは、 眠気などの脳に与える影響や抗コリン作用が弱くなっています。
ゼスラン、ニポラジン(メタキシン)、
ジルテック(セチリジン)、
アゼプチン(塩酸アゼラスチン)、
ザジテン(フマル酸ケトチフェン)、
セルテクト(オキサトミド)、
アレジオン(塩酸エビナスチン)、
アレロック(塩酸オロバタシン)、
エバステル(エバスチン)、
クラリチン(ロラタジン) など