解熱・鎮痛剤
★妊娠時の解熱鎮痛薬
解熱鎮痛剤としてよく処方されるのは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)と呼ばれるものが
大半です。
これらは痛みや熱の苦しみを軽くしてくれる薬ですが、薬である以上副作用ももちあわせています。
妊娠したお母さん方の場合、妊娠初期はもちろん妊娠後期にもこれらの薬には注意しなければなりません。
妊娠後期に服用すると、胎盤の血管や赤ちゃんの動脈管が収縮したり閉鎖したりする可能性があることと、
羊水の主な成分である赤ちゃんの尿の排出が抑えられるためです。
飲み薬や座薬はもちろん皮膚に貼る湿布薬や軟膏もこれらの成分が入っているので
要注意です。
★小児の解熱剤
解熱剤は以下のものがあります。
@ピリン系解熱剤・・・スルピリンなど
A非ピリン系解熱剤・・・・アセトアミノフェン
B非ステロイド系解熱剤(NSAIDs)・・・・サリチル酸系(アスピリン バファリン)
アントラニル系(ポンタール)
アリール系(インドメタシン ボルタレン)
プロピオン酸系(イブプロフェン)
この中で小児用として安全性が高いのはアセトアミノフェンです。
アセトアミノフェンがアレルギーなどで使えないときは
イブプロフェンが使われます。
アスピリンはインフルエンザや水痘のときに使うとライ症候群を起こす可能性が
高くなることやボルタレンやポンタールはインフルエンザ脳症との関連で使用できなくなってきています。
しかし今でも冬になるとインフルエンザにPL顆粒(アスピリンとアセトアミノフェンが含有)が処方されているケースがときどきあるのが
気になります。
★バファリン
バファリンは解熱鎮痛剤として有名ですが、これは商標です。
病院で処方される
バファリンは、主な成分がアスピリン(これももとは商標)つまりアセチルサリチル酸で
これを制酸剤で被い胃に負担をかけないようにつくられたものです。
一方市販の
バファリンのうち大人用は病院と同じ成分ですが、子供用の
バファリンはアセチルサリチル酸ではなくアセトアミンフェンが使われています。
同じバファリンでも成分がまったく異なっています。
その理由はアセトアミンフェンだけが小児の解熱鎮痛剤として現在安全なものと認められているからです。
したがって熱があるからといって大人用の
バファリンを小さくして子どもに与えるようなことはしてはいけません。
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