■ 私はすぐにでもスイスに行きます | NEWS ポストセブン 11/18(金) 7:00配信 |
安楽死提言の橋田壽賀子、その胸中と覚悟を明かす t q 断捨離を終えた彼女の元には、愛犬の柴犬、さくらだけが寄り添っていた。だが、16年連れ添ったさくらも6月に死んだ。晩年は認知症が進行し、グルグルと右回りだけで回り続けていた。 . 「かわいそうで見ていられなかった。亡骸は自宅のいちばんお気に入りだった庭先に埋めてあげました。私がいなくなっても寂しくないようにと、お地蔵さんを立ててね。思い残すことは何もなくなりました。身寄りもないので気兼ねなくいつでも旅立てます。その時にふと思ったのです。あとは“死に方”だけだと。 . お話しした通り、私は認知症になった場合を考えると、恐ろしくてたまらないのです。何もわからず、ベッドに縛りつけられて生きるなんて考えたくもない。誰にも迷惑をかけないで安らかに逝きたい。そう思ってパソコンで調べてみたら、スイスに安楽死させてくれる団体があった。費用は70万円。これだ、と思いました」(橋田) . 橋田が見つけたのは、スイスの医療団体『ディグニタス』。オランダ、ベルギー、ルクセンブルクでも安楽死は認められているが、「外国人の受け入れ」を許可しているのは同団体だけだった。 . 厳密にいえば、スイスで認められているのは医師による「自殺ほう助」であり、『ディグニタス』では、希望者が提出した医療記録を審査し、治癒の見込みがないと裁判所が認めた場合に限り、致死量の麻酔薬が処方される。医師が見守る中、患者が自らの意志で点滴パックの栓を開く。20秒後、眠るように死ぬという。 . これを目的にスイスに渡航する外国人は後を絶たず、チューリヒ大学によれば2008年から2012年までの5年間で、31か国611人の“自死旅行”が確認されている。年々増加傾向で、今では申込みから実行日まで、3か月待ちだという。 . 「最後まで自分の意志があることが条件なので、認知症が発症してからでは遅い。今のうちに周囲には伝えているのです。“ボケ始めたと思ったらすぐに言ってね”って。もしそう言われる日が来たら、私はすぐにでもスイスに行きます」(橋田) 日本の現状を考えると、荒涼とした未来が待ち伏せているのみです 日本には新しい死生観が必要になってきています あまりにも日常から死を遠ざけてしまいました 医者にも多大な責任があります |