予防する病気と説明 | 結核… 結核は日本でも昔は非常に多い病気でしたが、今ではかなり減ってきています。しかし、まだ毎年多くの新しい患者さんが発生しており、大人から子どもへ感染することも少なくはありません。また結核に対する抵抗力は母親からもらうことができないので、生まれたばかりの赤ちゃんもかかる心配があります。特に小さい子どもがかかると肺だけでなく、全身の結核症や結核性髄膜炎になり、重い後遺症を残すことがあります。 |
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ワクチンの種類 | 生ワクチン |
標準の接種年齢と回数 | ・生後3ヶ月〜6ヶ月未満までに1回接種 ・市の4ヶ月健診の時に集団で接種します。(無料) 生後6ヵ月を過ぎると、市での集団接種を受けることができなくなり、各自、医療機関にて有料で接種することになります。(当院では\4500) |
次の予防接種までの期間 | 27日間以上 |
正常な経過 | 接種後すぐには変化なく、10日後ぐらいから針のあとと同じ場所にポツポツと赤い点ができてきて、日がたつにつれてその発赤が徐々に大きくなっていきます。このような反応は接種後1〜2ヶ月ころに最も強くなり、場合によっては針のあとがうみをもつこともありますが、3〜4ヶ月ほどで小さなあとが残る程度に治っていきます。 |
注意事項 | 普通の反応が接種後10日くらいから始まるのに対し、早ければ接種後1、2日、遅くとも10日以内に接種部位が赤くはれたり、うみをもったりし、2〜4週間ぐらいで治っていくことがあります。これは”コッホ現象”と呼ばれるもので、有害な反応ではありませんが、検査や指導の為すぐに医師の診察を受ける必要があります。 |
副反応 | 接種後3ヶ月を過ぎても膿がおさまらない、いったん乾いた所が再び膿をもってくることがあります。また、接種後1〜3ヵ月後に脇の下のリンパ節がはれることがありますが、2〜3ヶ月で自然になくなります。 |
BCGの接種のしかたは最近大きく変わりました。
ツベルクリン反応の廃止 | 今まで乳幼児および小学校1年生、中学校1年生に行われていたツベルクリン反応検査は中止になりました。これは、日本における結核患者の数がかなり減ってきたことが理由です。 ツベルクリン反応は、多くの人に実施するとかなりの時間と労力とお金が必要な検査ですので、患者が減ることによって結核患者をツベルクリン反応検査によって発見する効率が悪くなってきていました |
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ツベルクリン反応の廃止の良い点 | 1.ツベルクリン反応が結核でもないのにプラスに出る人(偽陽性者)に今まで必要のない胸の写真とか他の検査あるいは、抗結核剤の予防の内服が行われてきましたが、これを避けることができます。 2.ツベルクリン反応によって一度免疫が少しつき、その結果、結核にかかっていないのに2回目のツベルクリン検査で陽性に出てくるという問題がこれからなくなります。 3.ツベルクリン反応検査を行う技術に大きなばらつきがあった。この問題がなくなります。 |
BCGの直接接種 | 現在は、6ヶ月未満の乳児に対してツベルクリン反応を行わず、直接BCGを接種することになっています。これは結核患者の数が減ったといえ、依然としてまだ日本は結核患者が多く、結核に感染する機会がまだまだ残っているためです。 小学校1年生、中学校1年生には、ツベルクリン反応の代わりに、結核に関する問診表が配られ、これに記入して市に提出することになっています。そして市の結核に関する委員会で結核の検査が必要かどうかが審議されます。 |
BCGという言葉の由来 | BCGというのは、BはバクテリアのB。CとGはカルメットという人とゲランという人の頭文字をとっています。つまりこの2人の菌ですよという意味です。この2人はパスツール研究所の人たちで、2人が長い間かけて作り出した菌が「牛型結核菌弱毒株BCG」というものです。これを利用して世界中がBCGの接種を行っています。 |
BCGを受けた後の反応 | 1週間くらいで赤くなり、盛り上がってやがて膿をもち、かさぶたができて3ヶ月くらいで痕が見えるほどになります。ちゃんと接種できていれば1年後には、18個の小さな穴が見えるはずですが、全部見えないこともあり、その場合は一般に半分程度〜15個ていどの穴が残っていればBCGの効果が出るように接種されていると考えられています。 |
BCGの効果 | BCGは、小児のとくに乳児の結核性髄膜炎や栗粒結核に有効であることがわかっていて、その
効果は10年くらい続くと考えられます。 |
コッホ現象 | コッホ現象とは、結核に感染した人にBCGを接種すると、一週間以内に接種したところが赤くはれ、化膿した後2〜4週間して治まっていく現象です。このような現象はもうすでに結核にかかっている可能性がありますので、急いで精密検査をしなければなりませんのですぐに医療機関に申し出てください。 |
6ヶ月未満の乳児にBCGを接種することに関して |
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良い点 | 早くBCGを行えば結核に感染した子にBCGをうつ可能性が小さくなります。 赤ちゃんの結核による重症化を防ぐことができます。 |
悪い点 |
先天性免疫不全症の子供にBCGを行う可能性があります。 先天性免疫不全症は、生後3ヶ月から5ヶ月くらいにならないと診断がつかないことが多いからです。このような子にBCGを接種してしまうと、もともと免疫がないために結核に感染してしまう可能性が非常に高くなってしまいます。 新生児はもともと免疫が弱いためにBCGを行うと結核にかかってしまう可能性があります。 |