三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)

解 説

予防する病気と説明 ジフテリア・百日咳・破傷風


ジフテリア
この病気にかかると、発熱、喉の痛み、咳などの症状が出て、ひどくなると窒息死することもあります。また、2〜3週間たってから、心臓や神経にも、障害を起こしてくることがあります。
百日咳
最初は、風邪のような症状で始まりますが、次第に咳がひどくなってきます。そして、いったん咳がではじめると、、しばらく咳が止まらなくなり、息を吸い込むときに、「ヒュー」という笛を吹く時のような音が聞かれるようになります。小さい赤ちゃんは重くなりやすく、チアノーゼやけいれん、脳症などを起こし、まれには死亡することもあります。
破傷風
破傷風菌は、人から人へ感染するのではなく、土の中にいる菌が傷口から体の中に入ることでかかる病気です。傷口から菌が入り、体の中で増えると、菌の出すどくそのために口が開かなくなったり、けいれんを起こしたりして、中には、死亡することもあります。
ワクチンの種類 不活化ワクチン(百日咳)・トキソイド(ジフテリア・破傷風)
標準の接種年齢と回数 ・第1期: 生後3ヶ月〜1歳までに3〜8週間(20日〜56日)の間隔で3回(初回接種)
      初回接種後の1年〜1年6ヶ月後に追加接種 として1回
・第2期: 11〜12歳に二種混合(ジフテリア・破傷風)を1回
次の予防接種までの期間 6日間以上
副反応 注射の後が少しはれることがよくあります。中には腕全体がはれることもあります。また、100人中3〜4人が注射後24時間以内に発熱することがあります。


予防接種のポイント  

ジフテリア 病気について この病気は以前は多い病気でしたが、最近は年間数例の発生にとどまっています。この菌は、人の家畜の両方にも感染する病気で家畜の近くにいて感染する場合も多くまた、生の乳製品を食べることによって感染する可能性もあります。世界的に見ると1990年から数年にわたり、旧ソ連で流行しました。12500人ぐらいが感染し、4000人ぐらいが死亡しています。これは政権の崩壊によって社会が不安定になり、予防接種の接種率が極端に落ちたために流行したものです。
症状
のどの腫れがとてもひどくなって呼吸困難に陥ることもあります。またこの菌が出す毒素によって心臓がダメージを受けたり神経が麻痺したりすることもあります。
百日咳 病気について 百日咳は文字どおり、この病気にかかると3ヶ月間くらいひどい咳に悩まされます。この百日咳に対しては、親から子の免疫がないために生まれてすぐからかかる可能性があります。特に1歳未満の乳児がかかると非常に病気が重くなることがあります。
症状 レプリーゼという特徴的な咳が有名です。しかし小さい赤ちゃんは、その特徴的な咳がなく、診断が難しいことがあります。咳あげや息が止まるなどで見つかることが多いようです。
合併症 主に肺炎そして、脳症があり、とても危険な病気です。
大人の百日咳 最近は小さな子だけではなく、大人の百日咳が増えていることが、話題になっています。
三種混合をちゃんと受けていなかった人とか免疫が落ちている人が増えた、あるいは百日咳のタイプが少し変わってきているのが理由ではないかと思われます。いずれにせよ、こういう人たちが感染源になり小さな子供にうつってしまう可能性があります。
破傷風 病気について 破傷風という病気は、世界中のどこでもそして、いつでも誰にでもおこる可能性があります。破傷風菌がどこの土の中にもいるからです。この病気にかかると破傷風菌の神経毒素によって筋肉の痙攣が起こります。呼吸をする筋肉もやられると呼吸ができなくなって死に至ることもある病気です。今でも毎年100名以上の患者がでて毎年10名くらいの死亡者があります。中でも高齢者が多くその理由は35歳以上は免疫を持っていないことが理由です。
接種について 三種混合は、接種する回数が多いので、予定通り接種できないことが多く注意する必要があります。たとえスケジュール通りきちんとうけれなくても医師と相談して基礎免疫をきちんとつけておくことが大切です。
副作用
腫れやすいことがあげられます。接種回数が多くなれば多くなるほど腕が腫れる可能性があげられますが、腫れても痕には残らず、心配することはありません。
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