■ 「敬老の日」と「老人の日」2014.9.15

よくわからないので調べてみると



「敬老の日」が「老人の日」になったというより、もとは「としよりの日」→「老人の日」→「敬老の日」と変化してきたものが、「敬老の日」と「老人の日」に分かれたという感じですね。
ハッピーマンデー制度による移動祝日化(連休の増加)を目指したJRなどの旅行関連業界と、移動祝日化になじめない全国老人クラブ連合会などの高齢者団体の意見をふまえて、2001年(平成11年)当時の政府が、9月15日を祝日でない「老人の日」に戻して、9月第3月曜日を祝日の「敬老の日」にしたものです。


もともと「9月15日」という日付には何の意味もありません。
たまたま農閑期で気候もよいという理由から、1947年(昭和22年)に兵庫県多可郡野間谷村の青年村長の門脇さんの個人的な判断で村の「としよりの日」と定められたものです。
この一つの村の行事に過ぎなかった「としよりの日」が、1950年(昭和25年)には兵庫県の行事となり、1951年(昭和26年)には中央社会福祉協議会(現:全国社会福祉協議会)によって全国行事となり、1964年(昭和39年)には「としよりの日」から「老人の日」と改称され、1966年(昭和41年)に「敬老の日」という国民の祝日になったものです。

1998年(平成10年)の「国民の祝日に関する法律」(祝日法)改正によって、2000年(平成12年)から「成人の日」が1月第2月曜日、「体育の日」が10月第2月曜日に変更されることになりました。
いわゆる「ハッピーマンデー制度」ですが、これには「敬老の日」や「海の日」なども候補に挙げられていました。

しかし、「敬老の日」の日付を変更して移動祝日化することに対して、全国老人クラブ連合会などの高齢者団体の反発がありました。
そのため、政府は2001年(平成13年)の祝日法改正の際、同時に「老人福祉法」も改正し、2003年(平成15年)から国民の祝日である「敬老の日」を9月第3月曜日に変更するかわりに、2002年(平成14年)から9月15日を祝日ではない「老人の日」、9月15日〜21日の1週間を「老人週間」として、法律で定めることにしたのです。

したがって、現在は、
9月15日…………老人福祉法で定める「老人の日」
9月15日〜21日…老人福祉法で定める「老人週間」
9月第3月曜日 …祝日法で定める「敬老の日」
ということになっています。

ちなみに、「老人の日」と「老人週間」の意義は、
《国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける》
とされていて、
「敬老の日」の意義は、
《多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う》
とされています。

「老人の日」にしても「敬老の日」にしても、その意義はいいのですが、9月15日や9月第3月曜日などという日付には何の意味も由来もありません。
まして、ハッピーマンデー制度による「○月第○月曜日」という祝日は、JRなどの旅行関連業界が旅客需要の拡大を狙って連休を増やそうと署名活動などを行なって実現させたもので、その由来となる日付を無視した無意味なものにすぎません。
(例えば、「体育の日」なら、戦後復興の象徴的行事となった東京オリンピックの開会式が10月10日だったことに由来するもので、10月第2月曜日では意味がありません)


例えば、昔からの五節句の1つである9月9日の重陽の節句(菊の節句・栗の節句)であれば、長寿を祈り、長寿を祝うという意味もある節句なので、9月9日の重陽の節句の日を「老人の日」や「敬老の日」として祝日にしたほうが伝統行事を見直すきっかけにもなってよかったのにと思いますが…。


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