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検査の種類 |
正常値(成人) |
説明 |
検査でわかること |
疑われる疾患 |
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肝機能
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AST(GOT)
アスパラギン酸アミノ
トランスフェラーゼ
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9〜38
IU/l |
アミノ酸をつくる酵素で、いろいろな臓器の細胞内にあるものです。 |
GOTは、心筋・肝臓・骨格筋・腎臓に多く、これらの臓器に異常があらわれると、すぐに異変がみられます。
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AST、ALT上昇急性肝炎、アルコール性肝障害など
AST<ALT慢性肝炎、脂肪肝など
AST>ALT肝硬変、肝がん、心筋梗塞、筋ジストロフィーなど
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ALT(GPT)
アラニンアミノ
トランスフェラーゼ
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4〜36
IU/l |
GOTと同じように、アミノ酸をつくる酵素のひとつですが、GOTよりも量は少なく
血液中にもわずかしかありません。
*飲酒・激しい運動の後・肥満・病気治療のためのステロイド剤の服用ストレスなどによって
影響をうけやすく、GOT・GPT値が上昇します。 |
肝臓の異変(肝細胞の変性・壊死など)には、敏感に反応するため、肝臓や胆道 の病気の診断に欠かせないものです。 |
γ―GTP
(ガンマ-グルタミル
トランスぺプチターゼ) |
男性・・・55以下
女性・・・40以下
IU/l |
腎臓に多く含まれる、たんぱく質を分解する酵素のひとつです。 その他にも、膵臓・
肝臓・脾臓・小腸にみられます。
肝細胞が、アルコールや薬剤などによって破壊されたときや肝管が、ガン・結石などに
よって内部がつまったときに、血液中に出してきます。 |
アルコールには敏感に
反応するもので、肝臓や胆道の病気では、他の酵素よりも早く異常値を示すことから、
アルコールによる肝障害の診断には、よく用いられる検査です。 |
高値アルコール性肝障害、急性肝炎、慢性肝炎、肝がん、胆管がん、急性膵炎、慢性膵炎など
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ALP
(アルカリフォスターゼ) |
115〜359
IU/l |
肝臓や小腸,骨に多く含まれている酵素で,リン酸化合物を分解します。pH8〜10のアルカリ性での働きが最も強いことから、こう呼ばれています。
ALPはほとんどの臓器に含まれていますが、血液中にみられるALPの大部分は肝臓や小腸,骨から流れ出たものです。ALPが肝臓から胆汁中に排泄されることから、胆汁の流れ出る道筋に異常があるかどうかを知ることができます。 |
胆汁の流れ出る道筋に異常があるかどうかを知ることができます。
また、骨新生の状態や骨盤の機能が正常かどうかもわかります。
ALPは血液型、食事、妊娠などで変動することがあります。
また、小児は大人と比べると高くなりますが、骨の成長が止まると大人と同じ値になります。 |
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LDH
(乳酸脱水素酵素) |
125〜237
IU/l |
LDHは全身の組織細胞に含まれ、糖がエネルギーに変わる際に働く酵素のひとつです。
組織の細胞が多く壊れると、血液中に流れ出て値が上昇します。
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高値臓器の細胞に損傷がある。
もう一度検査をしますがこの時、他の検査も合わせて行います。
どの臓器に異常があるか知るためには、LDHアイソザイムを測定します。 (電気泳動法で1〜5に分けられます。)
*心臓・腎臓・赤血球にはLDH1と2、 肝臓・骨格筋はLDH4と5、 肺・膵臓はLDH4 が多く含まれます。
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高値心筋梗塞、肺梗塞、悪性貧血、白血病、筋ジストロフィー、肺がん、大腸がん、急性・慢性肝炎、悪性リンパ腫、腎不全、すい炎、うっ血性心不全など |
膠質反応
(コロイド反応)
・ZTT
(硫酸亜鉛混濁試験)
・TTT
(チモール混濁試験) |
ZTT・・・3〜12
TTT・・・0〜5
U |
血液中のたんぱく質の性質を調べる検査の1つで、膠質反応の代表的な検査にはZTTやTTTがあります。
ともに血清蛋白が試薬との反応で、混濁する程度を測ります。
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肝臓の細胞が崩れた時の血清蛋白の変化の度合いを知ることにより、肝機能の状態が解ります。
血液中のたんぱく質は,その一つであるγ‐グロブリンを除いた残りの7〜8割が肝臓でつくられています。血液中のたんぱく質の大半が肝臓でつくられている事から、膠質反応で異常が見られた場合、肝臓の働きに異変がおきていることが考えられます。 |
ZTT(高値)急性・慢性肝炎、肝硬変、肝がん、膠原病
ZTT(低値)胆汁うつ滞症、高蛋白尿疾患
TTT(高値)急性・慢性肝炎、中毒性肝炎、肝硬変、脂肪肝、高脂血症 |
総ビリルビン(T-Bil) |
総ビリルビン・・・
0.3〜1.3
間接ビリルビン・・・
0.1〜0.8
直接ビリルビン・・・
0.0〜0.2
mg/dl |
赤血球の中にあるヘモグロビンからつくられる色素です。ビリルビンの検査は、
総ビリルビン値と直接ビリルビン値を測定します。ビリルビンの検査は、肝機能検査としては重要です。
・間接ビリルビン・・・赤血球が分解されヘムとグロビンになり、ヘムが酵素によってビリルビンに変えられ、出来る黄色の色素のことです。
・直接ビリルビン・・・間接ビリルビンが酵素の働きによって肝臓に運ばれ、蛋白質と結合した状態のものを言います。
その後、胆道に運ばれて胆汁となり、大部分は小腸から便へと排出されます。
・総ビリルビン・・・間接ビリルビンと直接ビリルビンを合わせたもの。
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総ビリルビンが一定値(約2mg/dl)を超えてしまうと、黄疸になります。
間接ビリルビン:高値赤血球の過剰破壊が起こります。
直接ビリルビン:高値肝障害や胆道閉塞が起こります。
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間接(高値)溶血性貧血、大量内出血、敗血症、体質性黄疸、甲状腺機能低下症
直接(高値)急性・慢性肝炎、肝硬変、胆のう炎、胆石、胆がん、すいがん、体質性黄疸
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コリンエステラーゼ
(ChE) |
男性・・・
203〜460
女性・・・
179〜354
IU/l |
体内のコリンエステルという物質を、コリンと酢酸に分解する酵素で2種類あります。肝臓で合成される酵素です。
その後に腎臓でろ過され、血液中に放出されます。
・真性ChE・・・神経や筋肉などに含まれます。
・偽性ChE・・・血清・肝臓・膵臓・肺・腸などに含まれます。
一般的に検査で測定するのは、偽性ChEです。これは、肝臓でつくられるため、肝臓の
働きをみることができます。 |
肝機能の低下に敏感に反応して低下する項目です。
また、肝臓で合成されているのに、腎臓から排出されない時は、高くなります。
増減により腎障害または肝障害が判ります。
測定法によって、かなり基準値の差異があるので注意が必用。
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高値ネフローゼ症候群、脂肪肝、甲状腺機能亢進症、糖尿病
低値低栄養、劇症肝炎、肝硬変、有機リン系農薬中毒、悪性腫瘍、肝がん
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LAP
(ロイシンアミノペプチターゼ)
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15〜60
IU/l |
腎臓・肝臓・腸管・脳・膵臓・子宮・睾丸などに含まれるたんぱく質を分解する酵素です。
LAPは3つに分類されます。
・M-LAP ・・・複数物質を合わせた測定値です。血清LAPは大部分が、M-LAPで、正常です。
・C-LAP ・・・ロイシンアミノだけを測定します。
・CAP(シスチールアミノペプチターゼ)・・・ 胎盤に多く含まれるもので、妊娠時に上昇がみられます。
LAPは、肝臓・胆道の病気の診断と、病気の経過をみるためにとても重要なものです。 |
LAPは胆道から排泄されるため、胆汁がつまってしまうと、血液中に増加してしまいます。
また、肝障害のときにも増加します。
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高値肝がん、胆道がん、胆道結石、すいがん、子宮がん、卵巣がん、肝硬変、アルコール性肝炎、急性・慢性肝炎、薬剤性肝障害など |
血清総たん白(TP) |
6.3〜8.1
g/dl |
血清中のたん白の総称で、7〜8%含まれています。
この中のおもな成分が、アルブミン
とグロブリンです。 血清たん白は、体内の代謝をよくする働きがあり、恒常性を保っています。肝臓や腎臓の障害などによって、体内の代謝に異常が生じると、血清たん白値も変わります。 その値は、高くても低くても異常となります。 異常が疑われるときは、総たん白分画でくわしく分析します。総たん白分画は、電気を通すと(+)か(−)に荷電し、同じ分子同士が集まるという性質を利用しています。これを、電気泳動法といいます。 |
肝臓で合成されて、腎臓でろ過される蛋白質の値を調べることにより、肝臓、腎臓の機能が解ります。 |
高値悪性腫瘍、多発生骨髄症、肝硬変、慢性肝炎、脱水症、高蛋白血症、栄養過多
低値ネフローゼ症候群、肝障害、浮腫、栄養不良、低蛋白症
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A/G比
(アルブミン/グロブリン比) |
アルブミン・・・3.9〜4.9
A/G比・・・ 1.2〜2.0
g/dl
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A/G比とは、アルブミンとグロブリンの量の比率をみるもので、血清総たん白の測定の
結果とあわせると的確な診断をすることができます。
アルブミンは、血液中の血清の中に最も多く含まれている蛋白質で、肝臓のみで合成されて、腎臓でろ過されます。
なお、血清中にはこの他に、グロブリンその他の蛋白質も含まれます。
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アルブミンとA/G比は、基準値以上に高くなることは、ほとんどありません。
肝臓で、アルブミンはつくられて
いるため肝臓そのものに異常があると、検査値は低下します。
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低値肝障害、慢性感染症、ネフローゼ症候群、多発性骨髄腫、栄養不良
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腎機能 ・ 尿酸
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尿酸(UA) |
男性・・・
3.0〜7.2
女性・・・
2.1〜6.0
mg/dl |
細胞のもとになっている物質である核酸DNA、RNAの代謝によってできた燃えかすを尿酸といいます。血液中の尿酸の多くは肝臓でつくられ、そのほとんどが腎臓でろ過され、尿と共に排泄されます。
また、尿酸がうまく排泄されず体内で増えると、痛風の原因となります。(尿酸は血液に溶けにくいといわれています。血液中で尿酸が溶ける濃さの限界をこえると尿酸は針状の結晶になって、足の親指や膝の関節にたまり炎症を起こし激しい痛みをともなう痛風となります。)
また尿管に流れ出し、そこで結石を作る恐れもあります。
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尿酸の生産が適量か、腎機能が正常か、どうかが解ります。
性別や年齢で変動することがあります。 |
高値通風、高尿酸血症、腎炎、腎結石、白血病、溶血性貧血、骨髄腫、薬剤投与
低値重症肝障害、腎性低尿酸血症
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尿素窒素(BUN) |
9〜21
mg/dl |
たんぱく質が体内でエネルギーとして利用されたあとの燃えかすで、血液中の尿素に含まれている窒素分を尿素窒素といいます。
尿素窒素の検査は、腎臓の機能を調べるための最も代表的な項目です。
基準外のときは、尿蛋白、クレアチニンなどの検査も併せて受ける必要があります。
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尿素窒素を測定することで、腎臓の機能が正常に働いているかを知ることができます。
尿素窒素は尿酸と同様に、腎臓でろ過され尿と共に排泄されていますが、腎臓の機能がうまく働かないと血液中の尿素窒素の濃度は高くなります。
尿素窒素は性別や年齢などで変動することがあります。
また、運動や下痢・嘔吐・発熱の後などには高くなるといわれています。
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高値発熱、慢性腎炎、腎不全、脱水症、感染症、糖尿病、消火器出血、高蛋白食
低値肝不全、妊娠
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クレアチニン(CRE) |
男性・・・
0.6〜1.2
女性・・・
0.4〜0.9
mg/dl |
クレアチニンとは、筋肉の運動やエネルギー消費に使用された、蛋白質の燃えカスとして、腎臓でろ過され尿細管を経て排出されます。
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腎臓の機能を知る検査の一つで、腎臓の老廃物を排泄する能力を知ることができます。
腎臓の排出機能に障害があり、尿中に排出できなくなると、血中に増加します。(
尿素窒素と共に高値のときは腎機能が低下しています。)
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高値腎不全、うっ血性心不全、脱水症、尿路閉鎖性疾患
低値筋ジストロフィー、尿崩症
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電解質 |
Na(ナトリウム)・・・
132〜148
K(カリウム)・・・
3.5〜4.9
Cl(クロール)・・・
96〜108
mEq/l
Ca(カルシウム)・・・
8.4〜9.7
p(リン)・・・
2.5〜4.5
mg/dl |
人間の体重のおよそ60%は、水分です。これらの水分は、細胞内液や血漿(血液の上ずみ)などの体液として、からだの中に存在しています。
体液の中には、わたしたちの細胞になくてはならない電解質と非電解質とが溶けあっています。電解質とは、ミネラルのイオンのことで、ナトリウム(Na),カリウム(K)、カルシウム(Ca)、クロール(Cl)などがあります。
・Na…からだの水分を調節するはたらき
・K……筋肉や神経に関係あるはたらき
・Ca…骨や歯の形成、神経刺激の伝達、血液の凝固などに関係したはたらき
・Cl…体の中のいろいろな組織に酸素を供給するうえで大切な役割
このように、体液中のイオンは、生命活動の維持のため、それぞれバランスよく
一定の濃度を保っています。 |
体液中のイオン濃度を測定し、バランスのくずれを調べて体内の異常を調べます。 |
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脂質
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総コレステロール |
129〜232
mg/dl |
体内にみられる脂肪の一種で、エステル型と遊離型という2つを合わせて総コレステロールといいます。
血管壁の維持・強化に重要な役割を果たし、また、胆汁酸の成分(脂肪の分解)・ステロイドホルモンや性ホルモンなどの材料になるため人間の身体にはなくてはならないものです。
コレステロール値は、食生活の洋風化に伴い高くなってきているといわれています。総コレステロールや中性脂肪が高い状態を高脂血症といい、高脂血症自体は症状がある病気ではないですが、この状態が長く続くと動脈硬化などをおこしやすくなります。
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総コレステロールの検査では循環器障害(動脈硬化や心臓病など)の診断や経過観察などに欠かせません。
総コレステロールは食事・性別・年齢などで変動することがあります。
脂質数値高い血管内の壁にコレステロールが沈着してしまう。
脂質数値低い肝臓や脳、血管に脂質の栄養が行き届きにくくなってしまう。
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高値高脂血症、糖尿病、動脈硬化、甲状腺機能低下症、脂肪肝、すい炎、ネフローゼ症候群など
低値甲状腺機能亢進症、肝疾患、悪液質、低栄養状態など
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中性脂肪
(TG・トリグリセライド) |
29〜188
mg/dl |
中性脂肪は体内にある脂肪の一つです。脂肪は、食物摂取後に小腸で吸収されてから血液の中に入り、身体を動かすためのエネルギー源として使われます。 エネルギー源として使われなかったものは皮下脂肪や肝臓に蓄えられますが、その大部分が中性脂肪といわれるものです。
血液中の中性脂肪が多くなりすぎると、動脈硬化を起こしやすくなるので、中性脂肪の値をコントロールすることが大切です。 コレステロール同様に、動脈硬化を防ぐために欠かせません。
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HDLコレステロール (善玉コレステロール) |
HDLコレステロール
(善玉コレステロール)
・・・
男性30〜86
女性40〜99
LDLコレステロール
(悪玉コレステロール)・・・
70〜139
mg/dl |
コレステロールの一つで、末端組織の余ったコレステロールを肝臓に戻す役目をし、また血管の壁にへばりついた、動脈硬化の原因にもなる脂肪(LDLコレステロール/悪玉コレステロール)を除去する働きもあります。
動脈硬化を防ぐといわれています。そのため、善玉コレステロールと呼ばれています。
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動脈硬化系の病気の有無がわかります。
HDLコレステロールは性別などで変動することがあります。
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高値薬物投与、長期多量飲酒、コレステロールエステル転送蛋白欠損症
低値糖尿病、肝硬変、腎疾患、動脈硬化、高中性脂肪血症、高血圧症 |
糖
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空腹時血糖(FBS) |
60〜110
mg/dl |
食べ物などから取り入れられた糖質は体内で吸収・分解され、ブドウ糖という形になって血液中に存在しています。この血液中にみられるブドウ糖を血糖と呼びます。
ブドウ糖は、身体を正常に働かせるエネルギー源として体内で利用されていて、血液中に常に一定の濃度で保たれています。
何らかの原因で一定の濃度が保たれなくなった時、膵臓から流れ出るホルモン(インスリン)が働き一定の濃度に戻そうとします。
食事などによって血糖の値が高くなると、インスリンが出て一定に保とうと働きます。しかし、糖尿病になるとインスリンの分泌量が不足するため血糖を下げることができずに高いままです。 |
血糖検査は糖尿病の診断に欠かせない検査の一つです。
血糖が増えると、糖尿病や、肝臓、すい臓などの病気が疑われます。
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高値糖尿病、慢性肝炎、肝硬変、すい炎、すいがん、甲状腺機能亢進症
低値インスリノーマ(すい島線腫)、甲状腺機能低下症
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HbA1C
(グリコヘモグロビン) |
4.3〜5.8
% |
血液中の糖分(グルコース)が赤血球に入って、赤血球中の酸素を体中に運ぶHb(ヘモグロビン)と結合したものをいいます。
もし1回の検査で血糖値が高値であっても、HbA1cが基準値内であれば、糖尿病の可能性は少なくなります。
腎不全の場合は、HbA1cと同時に尿素窒素が高値となります。
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血糖の値が高ければ高いほど、HbA1の割合は高くなります。また、一度結合してHbA1になると、赤血球の寿命である約120日間は結合したままの状態で血液中に存在します。
そのため、HbA1を測定すれば採血時の血糖の値には関係なく、過去1〜3ヶ月の血糖の平均的な値を知ることができます。 |
高値糖尿病、腎不全
低値インスリノーマ(すい島腺腫)、溶血性貧血
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その他
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血清アミラーゼ
(Amy) |
25〜137
IU/l |
アミラーゼは、でんぷんなどの糖質を分解する消化酵素で、主に、膵臓と唾液腺から分泌されます。
アミラーゼを分泌する膵臓に障害があって、詰まったときに、血液や尿の中にアミラーゼがもれ出てきます。 |
尿の値と組み合わせて膵臓(すいぞう)の病気を診断
血清や尿の中のアミラーゼを測定すると、膵臓障害なのか唾液腺障害なのかがわかります。
血清アミラーゼ:高値、尿アミラーゼ:高値主にすい臓の障害が疑われます。
血清アミラーゼ:高値、尿アミラーゼ:基準値唾液腺障害による耳下腺炎が疑われます。
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急性・慢性すい炎、急性耳下腺炎、すいがん、総胆管結石、肝硬変
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CK(クレアチンキナーゼ) |
男性・・・
55〜210
女性・・・
44〜166
IU/l
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CK(クレアチンキナーゼ)は、骨格筋や心筋などの筋肉細胞のエネルギー代謝に重要な役割をもっている酵素です。 CKは骨格筋や心筋のほか平滑筋や脳などに含まれており、血球中や肝臓にはほとんど存在しません。
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血清CK濃度の測定は、筋肉や脳などの組織細胞に障害があるかどうかを判断することができます。
<CK値が変動するとき>
・筋肉への注射や血管注射を受けたとき
・手術や筋肉も組織片をとる生検のあと
・激しい運動のあと
・子どもが採血のときなどに激しく泣いたり、暴れたりしたとき
・お酒や鎮痛剤などの常飲者
・妊娠後期と出産の前後
・男性の方が筋肉量が多いため、女性より2〜3割高くなる。
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アルドラーゼ |
男性・・・
8.1〜13.0
女性・・・
6.0〜11.2
IU/l
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アルドラーゼは、糖を分解する酵素の一つです。 筋肉組織や肝臓、腎臓、脳の神経組織に多く含まれており、臓器から血液中に出てきます。
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筋肉の障害を診断する酵素検査
アルドラーゼを測定することにより、筋肉組織の損傷や代謝障害を知ることができます。
・運動による変動・・・筋肉や肝臓内に多く含まれている酵素なので、激しい運動の あとには測定値が上がります。
・薬物による変動・・・アルコール、交感神経刺激剤、ACTH、グリココルチコイドなどを投与すると、測定値が上がり、エストロゲンを投与すると下がります。
・溶血による変動・・・アルドラーゼは、赤血球の中に血清の約150倍も含まれているので、少しの溶血(赤血球が壊れて、血液中に溶け出る状態)でも、測定値が上がります。そのため、溶血のみられる血清を検査に用いると正しい値は出ません。 |
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