血液検査何がわかるの?? 

 血液はからだのすみずみを駆け巡り、酸素や栄養素を運んだり、不要な二酸化炭素や老廃物を運び出す働きをしています。もしからだのどこかに異常が あれば、血液は全身の組織や臓器の健康状態を反映しているため、血液成分にその影響が出てきます。そのため血液一般検査は、血液の成分からからだの状態を 知るうえで基本となる重要な検査です。

 検査の値は食事、運動、ストレス、アルコールのとりすぎや妊娠などで影響がでることがあります。

血液一般検査 免疫・血清学的検査 生化学的検査
赤血球 白血球 炎症 肝炎ウイルス リウマチ その他 肝機能 腎機能・尿酸 脂質 その他
 
    検査の種類 正常値(成人) 説明 検査でわかること 疑われる疾患  

赤血球

 

赤血球(RBC) 男性・・・
400〜550

女性・・・
360〜500


×104/μl
(マイクロリットル)
赤血球は血液の赤い色のもとで、血液成分の大部分を占めています。骨髄でつくられた赤血球は血液中に流れ出て、肺で受け取った酸素をからだの組織細胞に運び、不要な二酸化炭素を運び出す働きをしています。

減少酸素の運搬能力が低下して、各細胞が酸素欠乏状態となって貧血を起こす。

増加血液が濃くなって流れにくくなり、血管がつまりやすくなる。

高値多血症、血栓症など

低値鉄欠乏症貧血、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血など

 

血色素量
(Hb(ヘモクロビン))

男性・・・
14〜18

女性・・・
12〜16

g/dl
(デシリットル)
ヘモグロビンは赤血球の大部分を占める血色素で、ヘムという鉄分とグロビンというたんぱくからできています。ヘムの鉄分が酸素と結び付き、それを全身の組織細胞に運んで、その帰りに二酸化炭素を運び出します。 血液中のヘモグロビンの量を測定し、貧血かどうかを調べることができます。 高値多血症

低値鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、溶血性貧血、出血原因貧血など

ヘマトクリット(Ht) 男性・・・
38〜50

女性・・・
34〜45

 %
一定量の血液中にどれくらいの割合で赤血球が含まれているかを調べるものです。ヘマトは血液、クリットは分離の意味で、血液を遠心分離機で固形成分(血球)と上澄み(血漿)に分けて測定します。

低値血液が薄い
高値血液がドロドロであることを意味します。
赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットのデータをもとにして貧血の種類や脱水などの診断をすることができます。

MCV
(平均赤血球容積)

81〜98
fl(フェムトリットル)
個々の赤血球の占める容積の平均値を表したもので、赤血球の大小がわかります。 貧血の原因や種類、性質などがわかります。
肝障害、腎性貧血、白血病、感染症、ビタミンB12欠乏貧血など
MCH
(平均赤血球血色素量)
27.0〜33.5
pg(ピコグラム)
個々の赤血球に含まれるヘモグロビン量の平均値を表したものです。
MCHC
(平均赤血球血色素濃度)
32.0〜35.0
個々の赤血球の容積に対するヘモグロビン量の割合をパーセントで表したものです。
網状赤血球数(RETC) 0.5〜1.5

赤血球になる一歩前の未熟な赤血球のことを網状赤血球といいます。

網状赤血球は、貧血などの血液を造りだすもとが関係しているような病気を知るためには欠かせない検査です。

網状赤血球が、赤血球中にどれぐらいあるかを調べると、血液を造りだしている骨髄の働き(造血)を知ることができます。
高値骨髄での造血が盛ん。
低値造血が低くなっている。

高値溶血性貧血、鉄欠乏性貧血、巨赤芽性貧血など

低値再生不良性貧血、骨髄線維症、急性白血病など

赤沈(血沈) 男性・・・
1〜12

女性・・・
2〜15

mm/h
採血した血液の赤血球が下に沈んでいく速さを測定する検査です。いろいろな病気で異常値を示すため、この検査だけで病気の診断はできません。しかし、簡単な検査なのでふるい分け検査に利用されています。 赤血球沈降速度(ESR)  

白血球

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白血球数(WBC) 3.5〜9.0
×104/μl
体の中に細菌や異物が侵入すると骨髄で白血球がさかんにつくられ、血液中に白血球が増えます。白血球には細菌や異物を自分の中にとりこみ、消化分解して無 毒化する働きがあり、これを食作用といいます。 白血球の増加は細菌感染や炎症を意味し、白血球が増えているか減っているかを調べることは、病気を 診断する大切な手がかりとなります。 高値扁桃炎、虫垂炎、肺炎、胆のう炎、すい炎、腎盂腎炎、心筋梗塞、白血病、敗血病、薬剤障害、外傷など

低値膠原病、悪性貧血、再生不良性貧血、放射線・抗がん剤障害、骨髄障害、脾機能亢進症など
  血小板数(PLT) 13.0〜34.9
×104/μl
(マイクロリットル)
血小板は出血した時に血を止める働きをしており、粘着能力と凝集能力があります。血管が破れて出血したとき、破れ目にくっつき血小板同士が集まって血栓をつくって出血を止めます。 止血能力を調べる手がかりとなります。
増加
血が固まりやすくなります。

減少出血が止まりにくくなります。
高値骨髄性白血病、本態性血小板血症、多血症など

低値血小板減少性紫斑病、悪性貧血、再生不良性貧血、白血病、肝硬変など
白血球の分類(血液像) 好中球・・・ 
40〜70
好酸球・・・  
0〜5
好塩基球・・・
0〜2
単球・・・
3〜7
リンパ球・・・
20〜45

細菌や異物の侵入から体を守る白血球は好中球好酸球好塩基球単球リンパ球の5種類の分画に分けられます。それらは形が違うだけでなく、独自の働き と特徴を持っています。 病気により増減する分画が違うので、分画ごとの増減数を調べることが病気を診断する手がかりとなります。
 
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