血液検査何がわかるの?? 

 血液はからだのすみずみを駆け巡り、酸素や栄養素を運んだり、不要な二酸化炭素や老廃物を運び出す働きをしています。もしからだのどこかに異常が あれば、血液は全身の組織や臓器の健康状態を反映しているため、血液成分にその影響が出てきます。そのため血液一般検査は、血液の成分からからだの状態を 知るうえで基本となる重要な検査です。

 検査の値は食事、運動、ストレス、アルコールのとりすぎや妊娠などで影響がでることがあります。

血液一般検査 免疫・血清学的検査 生化学的検査
赤血球 白血球 炎症 肝炎ウイルス リウマチ その他 肝機能 腎機能・尿酸 脂質 その他
 
    検査の種類 正常値(成人) 説明 検査でわかること 疑われる疾患  
炎症

CRP
(C反応性タンパク)

 

CRP定性検査・・・
陰性(-)

CRP定量検査・・・
0〜0.3

mg/dl
C反応性蛋白とは、急な炎症や病気などで、身体の組織が壊れたときに増加する血液中の蛋白の一種です。

CRPの測定法には2つあり、定性検査は症状の有無を調べて、定量検査はその濃度を調べます。
感染症や膠原病、がんなどを発見できます。
炎症や組織の損傷があるかどうかを調べるときや、病気の重症度をみるとき、病気の経過観察、治療後の判断などによく行われる検査です。
陰性正常。
陽性からだの中で炎症が起こっていることになります。
間接リウマチ、心筋梗塞、細菌感染症、リウマチ熱、ウイルス感染症、悪性腫瘍 など

肝炎ウイルス

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HBs抗原・抗体 HBs抗原・・・
陰性(−)

HBs抗体・・・
陰性(−)


肝臓障害の原因には、アルコールの飲酒や、A型肝炎(HA)、B型肝炎(HB)、C型肝炎(HC)などのウイルスがあります。
なかでもB型肝炎ウイルスは、急性肝炎、慢性肝炎から肝硬変、さらに肝ガンへと病気を進行させるウイルスと恐れられています。このウイルスに感染しているかどうかを調べるのがHBs抗原・抗体の検査です。

B型肝炎ウイルスの感染を診断

HBs抗原陽性抗体陽性
B型肝炎ウイルスに現在感染しています。

HBs抗原陰性抗体陽性
B型肝炎ウイルスに過去感染していました。

HBs抗原陽性抗体陰性
肝細胞が破壊されないで、肝炎が発病しない場合もあります(無症候性キャリアといいます)。

無症候性キャリアの場合は、将来発病する可能性があるので、半年に一回は専門医にかかり、定期的に検査を受けたほうがよいでしょう。

急性肝炎・慢性肝炎、肝硬変、肝がんなど
  HCV抗体 陰性(−)
C型肝炎については、輸血による感染などさまざまなことがわかってきましたが、C型肝炎ウイルス自体はまだ十分に解明されていません。しかし感染すると、血液中に抗体ができるため、抗体の有無で感染しているかどうかがわかります。

C型肝炎ウイルスの感染を診断

HCV抗体陰性C型肝炎ウイルスに感染していません。

HCV抗体陽性C型肝炎ウイルスに現在感染、または過去に感染していました。

しかし、抗体は、感染後一ヶ月で血液中に現れるため、感染直後の検査では陰性でも、一ヶ月後に陽性となることがあります。

リウマチ

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リウマチ反応 20以下

IU/ml

体内に異物や細菌が侵入すると、それを攻撃する抗体がつくられ、免疫ができます。この免疫機構の異常で、抗体が自分のからだを攻撃してしまう病気の代表的なものが膠原病です。

RAテストは膠原病の中でも特に多い慢性関節リウマチを診断するために、血清中のリウマトイド因子の有無を調べる検査です。

RA因子の有無で関節リウマチを診断

検査結果は陰性(−)弱陽性(+) 陽性(++)の3段階に分けられ、
陰性正常です。
陽性からだのどこかに免疫異常があると考えられます。
ただし、高齢者では健康な場合でも、まれに陽性になることがあります。


その他

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ASO 250単位以下

扁桃炎や咽頭炎、中耳炎、猩紅熱(しょうこうねつ)など炎症と化膿により高熱や手足の関節痛を起こす病原菌として、溶血性連鎖球菌(溶連菌)が知られています。

ASOは、とくに重要なA群溶連菌が感染したときにできる抗体の値を測定します。
溶連菌は、赤血球をこわす(溶血させる)ストレプトリジンという毒素を出しますが、溶連菌に感染すると血清中にその防御反応として、抗ストレプトリジンO(オー)と いう抗体ができます。そこで、血清中にできる抗体の値を測定することにより、溶連菌に感染しているかどうか調べます。

抗体の有無で溶連菌の感染を診断

高値咽頭炎や扁桃炎の上気道感染症や、中耳炎、
皮膚が化膿する蜂窩織炎などの局部的感染症、敗血症や産褥熱などの全身的感染症、上気道に感染した後のリウマチ熱、急性糸球体腎炎など

小児の場合・・・・猩紅熱

 

  血清鉄(Fe) 男性・・・64〜187

女性・・・40〜162

μg/dl

人間の身体の中には約3〜5gの鉄が存在しています。そのほとんどが赤血球中のヘモグロビンと結びつき、残りは肝臓や骨髄・筋肉などに存在しています。肝臓などに蓄えられた鉄がわずかに血液中に流れ出て、骨髄に運ばれ血液を造るために使われます。これを血清鉄といいます。

食べ物からとった鉄分のほとんどが小腸から吸収されます。その吸収が悪い場合や食物の好き嫌いなどで鉄分を取る量が不足すると、血液中の鉄も不足してしまいます。鉄が不足すると、ヘモグロビンと結びつく数が減ってしまい貧血をおこしてしまいます。このことから、鉄欠乏性貧血が考えられるときに行なわれます。

また,血清鉄の濃度からは体内の鉄分がヘモグロビンと結びつき蓄えられ,血液を造るために骨髄に運ばれる運搬経路や骨髄での血液を造る働きに問題がないかを知ることができます。

 

免疫グロブリン
<IgG・IgM・IgA>

免疫グロブリンとは、人の免疫(抵抗力)に関係する血液の中のたんぱく質の一種です。

G,A,M,E,D,の5種類があります。

  • IgG…血液中の免疫グロブリンの80%を占めています。 IgGは胎盤を通過することができるので、妊娠中にお母さんが持っている病気に対する免疫力を胎児に与えることができます。これによって、赤ちゃんはお母さんとほぼ同じ量のIgGを持って生まれてくるので、生まれてすぐの赤ちゃんを病気から守れるのです。

  • IgM…初期抗体と呼ばれ、何か感染症にかかった場合、一番早く数値が高くなり ます。
    途中、IgGと入れ替わり数値が下がるのも比較的早いと言われていることから感染症の診断に役立ちます。

  • IgA…IgGとは違い、胎盤を通過することができないので生まれたばかりの赤ち ゃんには、ほとんど見られませんが初乳に多く含まれているため母乳によって与えられます。       身体の中で造られるようになるのは、この中では一番遅く、思春期前後に大人と同じ値になると言われています。
  •  
    CH50(血清補体価) 30〜45

    U/ml

    補体とは、血液中のタンパク質の一種で、いろいろな種類があります。

     

    ある種の病気でこの補体が消費されて少なくなりますので、病気の種類や病気の勢いをみる指標として使われることがあります。  
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