いろいろな病原菌によるさまざまな病気(感染症)に対して、医師は数多くの抗生剤を使い分けています。医師はどのようにして処方する抗生剤を決めているのでしょうか。
・病気を起こしている菌(起炎菌)に合わせる
病気を起こしているのは1つの菌か、2つ以上の菌か、また、抗生剤が効きにくい(薬剤耐性)菌かどうか
患者さんの状態に合わせる
軽〜中等度の病気の人にはのみ薬を中等度重症〜重症の人には注射薬を選ぶことが多くなります。 また、もともと他の病気をもっている人には、その病気のことをよく考えなければなりません。 さらに子ども、成人、高齢者と年齢を考えた選び方も必要です。
・病気が起こっている体の場所に合わせる
呼吸器(咽頭、気管、肺)、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、肝臓、胆嚢など病気が起こっている場所も考えます
抗生剤の細菌に対する基本的なデータから考える
どのくらいの抗生剤の量で、どのくらいの細菌をおさえ込むことができるか、という実験室のデータがあり、それらを参考にして抗生剤を選びます
・抗生剤の人間の体の中での流れを考える
抗生剤はどのくらいの量でどのくらいまで血液中の濃度(血中濃度)が上がるのか、 あるいはどのくらいの時間ある濃度以上を保つことができるのかを考えます。 また、病気を起こしている体の部分にどれだけの抗生剤が入り込むことができるのか(移行性)、その場所で抗生剤がどれだけ安定して細菌にはたらくことができるのか なども重要になってきます
・副作用から考える
抗生剤は「異物」であるため、いつもその副作用には注意をはらっています
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